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【悪徳ブリーダーの実態】子犬のために守られるべき5つの自由とは

ブリーダーさんの多くは、きちんとした衛生管理のもとワンちゃんたちの健康管理をおこないながら繁殖をさせている優良なブリーダーさんだと思いますが、中には工場でモノを大量生産するかのように子犬をどんどん繁殖させる悪徳なブリーダーも存在します。過去には、無謀な繁殖によって世話が行き届かなくなり、悲惨な多頭飼育崩壊が起きたケースもあります。今回は悪徳ブリーダーの実態をご紹介します。

健康管理/病気

「パピーミル」と呼ばれる悪徳ブリーダーについて

ケージの犬

 犬の繁殖業を営むには動物取扱業の登録が必要ですが、中には悪徳なブリーダーも存在します。シリアスブリーダー(優良ブリーダー)と「パピーミル」と呼ばれるような悪徳ブリーダーとでは、どのような違いがあるのか、きちんと理解しておきましょう。 

シリアスブリーダーとパピーミルの違い

 シリアスブリーダーは1つの犬種専門、もしくはごく少数の種類の犬種を扱っています。施設の衛生管理が行き届いているのはもちろん、遺伝的な疾患や母犬の健康状態などを考慮して繁殖します。そして生まれた子犬を親犬からすぐに引き離さず、親犬や兄弟犬と過ごさせ子犬の社会化に関してもケアをしながら、健全な子犬を提供しています。

一方、悪徳ブリーダーは、犬種を問わずたくさん集めて、利益追求のためだけに子犬をどんどん繁殖させるブリーダーを指します。それがまるで工場でモノを大量生産するかのようであるため、子犬工場を意味する「パピーミル」と呼ばれるようになりました。

施設に集められたたくさんの犬たちは、散歩もされないまま不衛生な狭いケージに閉じ込められていて、生き地獄のような環境で生きています。そんな環境下で母犬の体の負担のことを何も考えず、発情期がくるたびに子犬をどんどん繁殖させます。また、遺伝病の知識を持っていないので、遺伝性疾患を抱えた子犬や虚弱体質の子犬が生まれることも少なくありません。

守られるべき5つの自由

 犬をモノのように扱い、劣悪な環境で繁殖を繰り返している悪徳ブリーダーは、動物福祉の基本理念である「5つの自由」を確保していないため問題視されています。「5つの自由」とは、国際的に認められている動物福祉の基準で、動物愛護管理法の第2条にも「5つの自由」の旨の一部が明記されています。

本来は、以下の5つの自由を確保して繁殖をする必要があります。

痛み・怪我・病気からの自由

  • 痛みや怪我、病気のときは治療を受けさせる
  • 健康管理をして病気を予防する

正常な行動(本来の行動)が取れる自由

  • その動物の生態や習性に合った、本来の行動ができるように配慮する

恐怖・抑圧からの自由

  • 恐怖や苦痛を与えない
  • 恐怖や苦痛を感じている兆候が見られたら、その原因を適切に取り除くことに努める

不快からの自由

  • 清潔に保たれている
  • 怪我をするような危険物がない環境にする
  • 炎天下や雨風、雪を避けられる休息場所がある

飢えと喉の渇きからの自由

  • 喉が渇いたときにいつでも新鮮な水が飲めるようにする
  • 動物の種類に合った適切な食事を与える

ブリーダー崩壊に関する過去の事件について

ケージの犬

 悪徳ブリーダーでは、産まれる子犬が多ければ売上に繋がることから、親犬を増やしてより多くの利益を得ようとします。その結果、飼育のキャパシティを超え手に負えなくなり、多頭飼育崩壊を起こす事例が実際に発生しています。 過去には、以下のようなブリーダー崩壊の事件が起きています。 

2018年福井県|過密状態による繁殖・飼育が行われ刑事告発

 約400匹の犬猫を過密状態で飼育、繁殖し、虐待に当たるとして刑事告発されました。病気や怪我をしている個体に適切に治療を受けさせていないという疑いもありました。 しかし、食事や水は与えられておらず、やせ細って衰弱している状態ではなかったことから、虐待に値するとは言い切れないとして不起訴になっています。 

2020年東京都|犬猫計38匹を放置し死亡させ虐待容疑で逮捕

 2020年、排泄物まみれの倉庫で犬を放置していたペットショップ経営者のブリーダーが虐待容疑で逮捕されています。前年には犬猫計38匹を熱中症で一斉に死亡させ、その死骸をごみ焼却施設に持ち込んだことで事件が発覚しました。食事や水は週1回しか与えていなかったと供述。都動物愛護センターから飼育環境が不適切だと繰り返し指導を受けていたそうです。 

後を絶たないブリーダー崩壊について

子犬

 繁殖業は免許制ではなく登録制で誰でもなれるので、悪徳ブリーダーも存在します。そして、利益のことだけしか考えずに子犬をどんどん産ませていることから、ブリーダー崩壊は後を絶ちません。今後繁殖業やプリーダーに関する規制を強化していく必要があると思いますが、まずは一人でも多くの人に悪徳ブリーダーの実態を知ってもらいたいです。 

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