犬の慢性腎臓病は、一度なってしまうと完治が難しい病気です。食事管理をしながら進行をゆるやかにする治療をすることが多いため、愛犬に食べさせるものには注意を払う必要があります。しかし、これまでおやつを楽しみにしていた愛犬が、急におやつを食べられなくなってしまうのはかわいそうですよね。そこで今回は、腎臓病の愛犬にも安心して与えやすい「おやつ」の選び方と種類別のオススメおやつを10種類ご紹介します。
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腎臓病の愛犬におやつを与えても大丈夫?
結論から言えば、犬が腎臓病を患っていてもおやつを絶対にあげてはいけない訳ではありません。日々のおやつを楽しみにしている子も少なくないため、あげてもいいのであればひと時の楽しみとしておやつをあげたいと考えている飼い主さんも多いと思います。
しかしながら腎臓病の治療時には療法食が処方されたり、日々の食生活に注意することが病気の進行をゆるやかにすることに繋がりますので、おやつの与え方には注意が必要です。まずは犬の腎臓病について簡単におさらいしておきましょう。
犬の腎臓病とは?
犬の腎臓病には「急性」と「慢性」があります。急性腎臓病の場合には、大量の出血や血圧の急激な低下、事故などによる膀胱破裂で対外に排尿ができないとき、脱水によって腎臓に血液が供給できないとき、人間の薬品や毒性のあるものを食べてしまったときなどに急激に腎臓が機能しなくなることを言います。
一方で、慢性腎臓病の場合には、多くの場合が加齢との関係が深い病気になります。猫に多い病気ではありますが、犬も7歳以上のシニア世代になってくると発症率が上がる病気です。
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慢性腎不全の治療は“日々の食生活の見直し”が大切
急性腎不全の場合は、原因となっている事柄を取り除くことで、腎臓の機能を回復する余地があります。一方で、慢性腎不全の場合は加齢によるものも多く、回復させることが難しいため、出ている症状を抑え、進行をゆるやかにすることが求められます。このとき、病気の進行度合いにもよりますが、日々の食生活の見直しなどが必要となるため、腎臓病用の療法食が処方されることがあります。
療法食ってどんなもの?
犬の療法食にはさまざまなものがありますが、腎臓病の場合には大抵「腎臓病用療養食」が処方されます。これはリン、たんぱく質、ナトリウム(塩分)、カリウムなど腎臓に負担のかかりやすい栄養素を少なく配合した食事となります。そのため腎臓病の犬におやつを与える場合にもこれらの栄養素に注意する必要があります。
獣医師におやつを与えてもいいか相談しよう
慢性腎臓病を患うと尿毒素の蓄積によって犬の食欲が落ちてしまうことがあります。いつも嬉しそうにご飯を食べていた愛犬に、食べる楽しみをできるだけ与えたいという飼い主さんも多いはず。少しでも大好きなおやつを美味しく味わえるのであれば、犬の心も満たされるかもしれません。
ただし、療法食が処方されている場合には、適切な食生活の管理が必要と判断される場合もありますので、獣医師の先生に相談した上で、上記の栄養素に注意をしながら適切なおやつを選ぶようにしましょう。
腎臓病の愛犬にはどんなおやつを選べばいい?
先述の通り、腎臓病の療法食は、リン・たんぱく質・ナトリウム(塩分)・カリウムが少なく配合されているものが大半です。特に腎臓病を患っている場合にはリンの摂取量を減らすことが重要とされていますので、リンをはじめ、たんぱく質・ナトリウム・カリウムが少ない食材で作られているおやつを選ぶようにしましょう。
リンが多く含まれる食材
リンが多く含まれる食材は、魚類・乳製品・大豆・肉類・加工食品です。犬が好きなオヤツでは、煮干し・かつおぶし・チーズ・ジャーキー等が該当します。特にチーズや魚にはリンだけでなく、たんぱく質も豊富に含まれているため、腎臓病の子には推奨できないおやつとなります。また、ジャーキーなどの干し肉はリンが含まれるため、与える際には注意しましょう。
肉のおやつを与えたい場合
…とは言ってもジャーキーなどの干し肉を好む犬が多いのも事実ですよね。干し肉のおやつを与えたい場合には、胸肉などの淡泊な部位を選んであげるとリンやナトリウムの含有量が少なくなります。また手作り食では干す前に茹でることでリンをやや減らすことができます。
リン・カリウムが少ない食材
お米や小麦粉はリン・カリウムの含有量が低いため、これらを制限したい愛犬にもオススメな食材となります。ボーロ等のおやつが代表的なものですね。
カリウムが多く含まれる食材
干し芋・リンゴはリンの含有量が低く、愛犬も大好きなおやつですよね。しかしながらカリウムは多く含まれていますので、カリウム制限が必要な場合には注意が必要です。野菜・果物類ではキャベツはリンもカリウムも控えめな食材となります。
腎臓病の犬に|ジャーキータイプの市販のおやつ
ビスケットやボーロが苦手な愛犬のために、リンやたんぱく質の少ないジャーキータイプのおやつをご紹介します。
1.ミネラル分を大幅カット
<製造方法にこだわり、ミネラル分を極力カットしたジャーキーです。馬肉100%のジャーキーなので、添加物の心配もありません。
- 商品名:ミネラルカットジャーキー 馬肉
2.珍しいカンガルーのジャーキー
病気でもたまには変わったおやつも試してみたいですよね。馬肉ジャーキーと同じく、ミネラル分を低減させる製造工程で作られています。
- 商品名:ミネラルカットジャーキー カンガルー
腎臓病の犬に|クッキー・ビスケットタイプの市販のおやつ
食べ応えのあるクッキー・ビスケットタイプのおやつは、小型犬から大型犬までどの犬種にも与えられるおやつです。またお米や小麦粉はリン・カリウムの含有量が低いため、これらを制限したい愛犬に向いている食材となります。
3.特別療法食のビスケット
低ナトリウムで腎臓に優しく、低カロリーな硬さのあるビスケットです。腎臓用の療法食を作っているメーカーであるという点もポイントですね。
- 商品名:ヒルズ/プリスクリプション・ダイエット トリーツ
4.愛犬と一緒に食べられるクッキー
腎臓に優しい「なた豆」や「クルクミン」を使った、素材にこだわった犬やハートの形がかわいいクッキーです。無添加・無着色で、飼い主さんも一緒に食べることができます。
- 商品名:無添加 オリジナルクッキー腎ケアプラス
5.国産の原料を使った無添加ビスケット
米粉に甘さのあるかぼちゃや小豆を混ぜたビスケットで、嗜好性が高いおやつです。かぼちゃが大好きな犬は多いですよね。原料は全て国産のものを使用し、無添加なので腎臓にも優しいおやつです。
- 商品名:小豆かぼちゃの腎ケアビスケソフト
腎臓病の犬に|市販の機能性おやつ
腎臓病の犬でも使える、薬を与えやすくするおやつや非常食としても保存することもできる機能性のあるおやつをご紹介します。
6.薬を嫌がる子におすすめ
腎臓病用の薬を飲ませるのに苦労するときにおすすめのおやつです。トリーツの中に薬を隠せるので、おやつ感覚で与えられます。
- 商品名:ペティッツ投薬補助トリーツ ミネラルコントロール
7.非常食としてもおすすめ
普段はおやつとして与えて、緊急時には食事として与えることもできるおやつです。消費期限も5年と長期間保存できるので非常食としておすすめです。
- 商品名:わんパンゴールド ミネラルコントロール
腎臓病の犬に|小型犬やシニア犬にも与えやすい市販のおやつ
口の小さい小型犬やシニア犬には、腎臓病の疾患有無を問わず、やわらかいおやつ・小さくちぎれるおやつがおすすめです。
8.獣医師監修で腎臓に配慮した栄養素配合
ほんのり甘さのあるボーロで、クランベリーエキスやタウリンなど腎臓の健康を維持するための栄養素を配合。3袋の小分けで1袋に40粒ほど入っているので、開封後の酸化が気になるかたにもちょうどいいサイズとなっています。
- 商品名:アニウェル すっきりボーロ
9.ミネラル成分を調整し、腎臓に配慮
過度な摂取で腎臓に影響を与えると言われる、ミネラルを調整したおやつです。リン(0.05%)やナトリウム(0.01%)と低く設定されています。動物病院専用の栄養補助食品を作っているメーカーというのも安心して与えらえるポイントですね。
- 商品名:ペティッツ ソフトトリーツ ミネラルコントロール
10.腎臓だけではなく、アレルギーにも配慮したおやつ
犬の口に合わせた形は、超小型犬でも食べやすいよう工夫されています。リン(0.07%以下)、ナトリウム(0.1%以下)、タンパク質(1.4%程度)と低めのおやつです。香りはやや強めではありますが、犬には食欲をそそるいい香りのようです。
- 商品名:ドクターヴォイス 腎臓にやさしいトリーツ
腎臓に配慮したおやつで愛犬と楽しい食生活を
腎臓病の愛犬にも与えられるおやつについてご紹介しました。腎臓病を悪化させないためには、治療をしながら食事管理をしてあげることも大切です。腎臓に配慮していると言ってもおやつの与えすぎには注意が必要ですが、ちょっとした楽しみの1つに腎臓に負担の少ないおやつを選んであげてください。また療法食が処方されている場合には獣医師の先生にも相談しましょう。
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