フォックスハウンドは、キツネの狩りを主な目的として誕生した狩猟犬です。日本ではあまり馴染みがありませんが、飼い主に忠実でおおらかな性格が魅力的な犬種です。今回は、フォックスハウンドの歴史や代表犬種、飼育する上での注意点をご紹介します。
フォックスハウンドについて
フォックスハウンドは、キツネ狩りに用いるために改良されたセントハウンド犬種のことを指す犬種グループです。セントハウンドは嗅覚ハウンドとも呼ばれ、嗅覚を頼りに獲物を追跡します。
ルーツや歴史
17世紀頃、イギリスではキツネ狩りが貴族たちのスポーツとして人気となりました。獲物の匂いに敏感に反応し、スピードがあり、長時間の追跡が可能な持久力を持つような猟犬が求められた結果、フォックスハウンドが誕生しました。
フォックスハウンドの特徴
猟犬として活躍していたフォックスハウンドは、賢くエネルギッシュです。
飼い主に従順で愛情深く、群れで生活していたため社交的で多頭飼育にも向いています。
身体は筋肉質で引き締まっており、狩猟に必要なスピードと持久力を持ち合わせています。
フォックスハウンドの代表犬種2種について
フォックスハウンドの代表犬種である「アメリカン・フォックスハウンド」と「イングリッシュ・フォックスハウンド」についてご紹介します。
アメリカン・フォックスハウンド
アメリカン・フォックスハウンドの毛色に制限は無く、あらゆる毛色、パターンがあります。
原産国やルーツ
イギリスで誕生したフォックスハウンドは、1650年頃アメリカに渡りました。その後、他のハウンド犬とも交配され、現在のアメリカン・フォックスハウンドが誕生しました。
身体のサイズ
アメリカン・フォックスハウンドは、イングリッシュ・フォックスハウンドに比べるとやや小型でスリムです。ジャパンケネルクラブにおいては次のようにサイズが定められています。
オス:体高56~63.5cm / 標準体重29~34kg
メス:標準体高53~61cm / 標準体重24~29kg
イングリッシュ・フォックスハウンド
イングリッシュ・フォックスハウンドの毛色は、基本的に白、茶、黒のトライカラーです。
原産国やルーツ
イングランド原産のイングリッシュフォックスハウンドは、フォックスハウンド犬種の元祖とされています。世界で一般的に「フォックスハウンド」というと、このイングリッシュ・フォックスハウンドのことを指します。
イギリスではキツネの頭数が減ると共に飼育者も減少し、英国ケネルクラブでは1986年に犬籍から除外されていますが、イギリスでは現在でも多くのイングリッシュ・フォックスハウンドが実猟犬として活躍しています。
身体のサイズ
体高は58〜69㎝、体重は25〜34kgが目安です。
フォックスハウンドを飼うときの注意点について
長い間猟犬として用いられてきたフォックスハウンドは、ペットとしての歴史が浅いため、生活を共にするには家庭犬として必要なしつけや十分な運動が必要です。
家庭犬としてのしつけ
フォックスハウンドに良きパートナーになってもらうには、幼い頃からしっかりとしつけることが大切です。
服従訓練
猟犬としての本能が強いため、小型の動物に遭遇すると我を忘れることがあります。いざというときに飼い主さんが動きを制御できるよう、幼い頃からしつけておきましょう。
無駄吠えのしつけ
フォックスハウンドは獲物を見つけると主人に吠えて知らせる習性があったため、何かあれば大きな声で吠えるかもしれません。日頃から無駄吠えしないようにトレーニングしておきましょう。
十分な運動が必要
エネルギッシュでスタミナがあるフォックスハウンドは、多くの運動量を必要とします。運動不足によるストレスは問題行動にも繋がるので、屋外で十分に運動させる必要があります。
フォックスハウンドは明るく社交的な性格です!
フォックスハウンドは飼い主に従順で大らかな性格の持ち主です。とても魅力的な犬種ではありますが、日本では希少な存在であるため、主な入手方法は海外からの輸入になります。迎え入れる前にしつけが十分にできるか、運動できる環境を用意できるかなどをよく考え、準備を万全にして迎え入れましょう。
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