イタリアン・コルソ・ドッグという犬種を聞いたことがありますか?がっしりとした身体つきで凛々しい立ち姿のこの犬は日本ではとても珍しく、日常生活の中で遭遇することはほとんどありません。しかし、海外ではペットとしてだけでなくショードッグとしても人気の犬種です。本記事ではイタリアン・コルソ・ドッグの歴史や性格などの基本情報をご紹介します。
日本ではなかなか見かけない犬種についての他の記事 |
---|
イタリアン・コルソ・ドッグ(カネコルソ)の歴史
日本ではあまり知られていないイタリアン・コルソ・ドッグ。どのような歴史があるのでしょうか。簡単に見ていきましょう。
原産国はイタリア
イタリアン・コルソ・ドッグの原産国はイタリアで、直接の祖先は古代ローマのモロシア犬ということが判っています。以前はイタリア全土に存在していましたが、現在は南イタリアのアプリア地方とその隣接地区のみで普及しているようです。
イタリアン・コルソ・ドッグという犬種名は、「農家の保護や守護する者」を意味するラテン語の「cohors(コールス)」に由来しています。かつては護衛犬や、番犬としての役割を担っていました。
海外では「カネコルソ」が一般的
JKC(ジャパンケネルクラブ)では「イタリアン・コルソ・ドッグ」の名で登録されているこの犬種ですが、海外では「カネコルソ」の呼び名が一般的なようです。
2008年にはUKC(ユナイテッドケネルクラブ)に「カネ・コルソ・イタリアーノ」、2010年にはAKC(アメリカンケネルクラブ)に「カネ・コルソ」として公認されています。
イタリアン・コルソ・ドッグ(カネコルソ)にはどんな特徴がある?
イタリアン・コルソ・ドッグの外見的な特徴をご紹介します。
体重や体高は?
中型から大型に属する犬種です。特徴的な引き締まった強靭な筋肉をもち、足は太く長く、全体的にがっしりとした身体つきをしています。
JKCでは、体高がオスは64~68cm、メスは60~64cm、体重はオスが45~50kg、メスが40~45kgが理想とされています。
毛質や毛色は?
毛質は光沢のあるスムースコートです。短毛ではありますがダブルコートなので抜け毛は多くなります。お手入れはラバーブラシや獣毛ブラシを使用し、皮膚をマッサージするようブラッシングしましょう。
JKCでは、「ブラック」、「リード・グレー(鉛色)」、「スレート・グレー」、「明るいグレー」、「明るいフォーン」、「スタッグ・レッド」、「ダーク・フォーン」、「ブリンドル」が認められています。中でもブラックがよく見かけるカラーです。
胸や足先、鼻梁に見られる小さいブチは許容されますが、フォーンやブリンドルの犬のブラックやグレーのマスクは、目をこえてはいけないとされています。
耳や尻尾の形は?
本来は垂れ耳で、長い尻尾を持っていますが、断耳してピンと立たせたり、短く断尾することがあります。
ただし、2025/1/1以降に生まれた犬について、断耳/断尾されてる場合には、国際畜犬連盟(FCI)のドッグショーに出陳することができなくなることがJKCより発表されています。
該当の犬種は以下の通りです。
- ドーベルマン
- ボクサー
- ロットワイラー
- ジャイアント・シュナウザー
- スタンダード・シュナウザー
- ミニチュア・シュナウザー
- ジャーマン・ピンシャー
- ミニチュア・ピンシャー
- ナポリタン・マスティフ
- グレート・デーン
- イタリアン・コルソ・ドッグ
詳しくはこちら
イタリアン・コルソ・ドッグ(カネコルソ)の性格傾向は?
ガードドッグとして活躍していた犬種らしく勇猛果敢な性格で、飼い主さんに対して忠実で愛情深いです。そのため、家族と過ごすことを好む傾向にあります。知的で賢いですが、頑固な一面もあるので、初心者には飼育難易度は高いと言えるでしょう。
理由もなく攻撃するようなタイプではありませんが、家族以外の人に対する警戒心はとても強いので、子犬期に十分な社会化を行い、社会性を身に着けさせることが大切になります。
しつけは子犬のときから
知能が高いため、飼い主には強いリーダーシップが求められます。上記の性格傾向に加え、大型犬であることから、何か起こったときにしっかりコントロールできるようにしつけることがとても重要です。闘犬としても活躍していた犬種なので顎の力も強く、咬傷事故には特に注意しなければなりません。
子犬の頃からしっかりとトレーニングを行い、信頼関係を築きましょう。
イタリアン・コルソ・ドッグ(カネコルソ)にはどこで会える?
JKCの2023年の犬種別犬籍登録頭数を見てみると、イタリアン・コルソ・ドッグは15頭ととても少なく、日本で一緒に暮らしている人がいかに少ないかが分かります。
そのため、ペットショップで見かけることはほぼなく、イタリアン・コルソ・ドッグを迎えたいとなった場合にはイタリアン・コルソ・ドッグをブリーディングしている犬舎を探すことになりますが、イタリアン・コルソ・ドッグのブリーディングを行っているブリーダーさん自体も少ないです。また、ブリーダーサイトに子犬が掲載されたとしても頭数が少ないことやすぐに家族が決まってしまうことから、会いたいと思ってすぐに会える犬種ではありません。
とはいえ、ブリーダーサイトを見てみると、2024年6月には子犬が掲載されていたようなので、こまめにサイトを覗いたり、実際にブリーダーさんに連絡をして聞いてみたりすることがイタリアン・コルソ・ドッグに出会うための第一歩となります。
イタリアン・コルソ・ドッグは家族思いの超大型犬
イタリアン・コルソ・ドッグは身体が大きく力が強いため、子犬のころから十分にしつけを行い、トラブルになる前に飼い主さんがコントロールできるようにしておく必要があります。知能も高く、頑固な一面もあるので、上級者向きの犬と言えるでしょう。
日本では希少で、滅多にお目にかかれない犬種なので、一緒に暮らしたいとなった場合にはブリーダーさんから迎えることになりますが、イタリアン・コルソ・ドッグのブリーディングを行っている人も少ないので、根気よくブリーダーサイトをチェックするようにしてください。
イタリアン・コルソ・ドッグは超大型犬であり、ガードドッグとしてのルーツを持つことから、家族以外の人に対する警戒心はとても強いです。犬種の特性や管理方法を十分に勉強してから、本当に責任を持って生涯飼いきれるかを踏まえてお迎えを検討するようにしましょう。
こちらの記事もチェック!
あわせて読みたい
【希少犬種】ブリアードの特徴って?性格や飼い方など基本情報まとめ
あわせて読みたい
ローシェンは世界一珍しい犬?その歴史や特徴・飼い方など解説!
カテゴリーの人気記事