可愛らしいルックスはもちろん、頭のよさや抜け毛の少なさに加えて犬独特の臭いが少ないことでも人気のトイプードル。しかし一方で、「臭いが気になる」という声も聞かれます。今回は犬の体臭の原因や、愛犬が臭うときにできることをご紹介します。
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トイプードルは体臭が少ないの?
トイプードルは犬独特の臭いがしにくいと言われている犬種です。その理由は被毛にあります。
トイプードルの被毛はシングルコートと言われるコートタイプであり、アンダーコートがないので、比較的通気性が良く臭いがこもりにくいため体臭が少ないと言われているのです。
しかし、被毛のカールが強い子は蒸れやすく雑菌が繁殖しやすい傾向にあります。臭いが少ない犬種とは言え、日頃のこまめなブラッシングや定期的なシャンプーなどのお手入れが大切なのです。
被毛の他にも、顔にしわやたるみがないので顔周りに汚れが溜まりにくいことや、マズルの長さが短くない(短頭種でない)ことでよだれが少ないことも、臭いがしにくい理由とされています。
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トイプードルの臭いの原因はなに?
比較的体臭が少ないと言われているトイプードルですが、臭いと感じる場合の原因はなんなのでしょうか。ここでは犬が臭う場合の原因についてご紹介していきます。
原因1.体臭(汗腺)
犬にはエクリン腺(エックリン汗腺)とアポクリン腺という汗腺があります。
エクリン腺は肉球と鼻の周りに存在し、さらっとした汗を分泌して体温を下げる役割を担っています。しかし、汗を分泌するエクリン腺は少ないので、基本的には口を開けてハアハアと呼吸するパンティングという方法で体温を調節しています。
一方のアポクリン腺は皮脂腺と繋がっているので白っぽくべたついた汗が出ますが、体温調節としてではなく、フェロモンのような役割を果たしていると考えられています。人間は脇にアポクリン腺が集中していますが、犬は全身に存在するので臭いが強くなるのです。ここから出る汗と皮脂が酸化することで体臭を生み出し、湿度の高い季節や夏は特に臭いが強くなる傾向にあります。
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原因2.口臭
ドッグフードの食べ残しや、歯磨きで落としきれなかった歯垢が歯石となり細菌が溜まって臭いの原因となっていることがあります。口周りの被毛が長い場合は、食べかすが口元についたままになって臭いが発生しているかもしれません。
また、病気が原因となって口臭がしていることもあります。歯肉炎や歯周病の他、肝臓や腎臓などの内臓疾患を患っている場合にも口臭が出ることも珍しくありません。口臭の他に元気がない、食欲がないなどの様子が見られたら病気の疑いがあるので要注意です。
原因3.肛門臭
犬の肛門には肛門腺と呼ばれる腺があり、通常、排便時に肛門腺が圧迫されることによって分泌物が排出されますが、トイプードルをはじめとする小型犬は筋力が弱く自力で分泌物を排出できないことがあります。分泌物が溜まることでお尻周りの臭いの原因になります。
原因4.排泄物
体臭がきつくなったというときは食べているドッグフードが原因と言うこともあります。質の悪いドッグフードには穀類や添加物が多く含まれていることがあり、腸内環境が悪くなってしまうことで便臭がきつくなるのです。腸内に悪玉菌が溜まることで体臭だけでなく口臭も発生してしまうこともあります。
原因5.耳
トイプードルは垂れ耳で、さらに耳の中にも毛が生えているので特に蒸れやすいです。蒸れることで雑菌が繁殖しやすく、感染症を引き起こしてしまうことも珍しくありません。いつもと違う臭いがする他、しきりに耳を掻いていたり耳垢が多い場合は外耳炎や中耳炎を発症していることもあります。
しかし、耳掃除をしすぎると耳の中を傷つけてしまったり外耳炎になってしまうこともあるのでやりすぎないよう注意しなければいけません。
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原因6.涙
涙で濡れた部分をそのまま放置していると細菌が繁殖して臭いが発生することがあります。愛犬の顔周りの臭いが気になるという場合、涙が原因かもしれません。
原因7.その他
トイプードルには当てはまりませんが、パグやフレンチブルドッグなど顔にしわのある犬種は汚れが溜まりやすく細菌が繁殖して臭いの原因となりやすいです。
また、短頭種の犬種や大型犬はよだれが多い傾向にありますが、よだれやけになってしまうと場合によっては臭いが発生することも。食事が合っていなかったり、口内環境が良くないとよだれが増え、トイプードルでもよだれやけしてしまうことがあります。
トイプードルの臭いを改善するためにできること
トイプードルはもともと臭いが少ないとされている犬種なので、普段からしっかりお手入れをしていれば臭いを抑えることができます。ここでは飼い主さんができるケア方法をご紹介します。
1.定期的にシャンプーをする
犬の体臭を軽減する方法として最も効果的なのはやはり定期的なシャンプーです。完全に臭いをなくすことはできませんが、軽減させることはできます。
トイプードルは1〜2か月に1回はトリミングサロンに行く必要があるので、その時に一緒にシャンプーをしてもらうことになると思います。あまり頻繁にシャンプーをしてしまうと必要な皮脂まで洗い流してしまい乾燥を招いたり皮膚トラブルを起こすことがあるので、自宅でのシャンプーはトリミングサロンに行った2~3週間後くらいにすると良いでしょう。
お散歩で汚れた場合は濡らしたタオルで拭いてあげる程度で問題ないと思いますが、汚れが酷くついてしまった場合は部分的に洗い流してあげるのがおすすめです。
人間用のシャンプーは洗浄力が強すぎるので犬用のシャンプーを使ってあげてください。
シャンプーしたあとはしっかり乾かすことが大切です。半乾きだと雑菌が繁殖して臭いの元となります。皮膚病を引き起こしてしまうこともあるので念入りに乾かしましょう。ドライヤーの熱で火傷しないように30㎝以上離し、一箇所に熱をあてないよう素早く動かしながら乾かしてください。
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また、足の裏をこまめに拭くことで臭いの軽減が期待できます。足の裏は排泄時やお散歩で汚れやすい部位なので臭いの元になりやすいのです。犬専用のタオルなどの便利グッズも売っているので活用してみてください。
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2.歯磨きは毎日が理想
犬は歯周病になりやすいので、できるだけ毎日の歯磨きで歯石を防ぐことが理想です。歯石が溜まると口臭の原因になることはもちろん、歯周病を招いてしまいます。歯周病は重度になると死に至ることもある怖い病気です。トイプードルは口が小さいので特に歯石がつきやすいと言われています。スキンシップをとりながら毎日の歯磨きを習慣にしましょう。
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3.肛門腺絞りをする
お尻周りの臭いが気になるという場合は肛門腺を絞ることで改善されることもあるので、シャンプーをする際に一緒に行いましょう。難しければ動物病院やトリミングサロンで行ってもらえます。
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4.ドッグフードを見直す
犬は本来肉食の動物なので、炭水化物よりもたんぱく質の消化が得意とされています。そのため、穀類の多いドッグフードは消化不良を起こして便臭がきつくなることも。
胃腸に負担のかかりにくいドッグフードや腸内環境を整えるドッグフードを選んであげると臭いが改善されるかもしれません。
また、ドッグフードの油も体臭の原因になると言われています。食いつきをよくするために使われている油は質が低いことが多いので、オイルコーティングされていないドッグフードを選ぶのがおすすめです。
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5.耳のお手入れをする
普段から愛犬の耳をチェックするようにしましょう。目安としては1〜2週間に1回、イヤークリーナーなどを使って掃除してあげるのがおすすめです。
しかし、犬の耳には自浄作用があり、過度に掃除してしまうと逆効果になってしまいます。汚れ具合にも個体差があるので、耳の状態を見て頻度を調整してください。綿棒は汚れを押し込んでしまう可能性があるので使わないようにしましょう。
6.目やにや涙をこまめに拭く
目やにや涙はこまめに拭いてあげましょう。トイプードルは生まれつき鼻涙管が細く涙やけを起こしやすいので、目の周りの汚れや涙に気づいたら優しく拭き取ってあげることが大切です。
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原因に合った対策で愛犬の体臭を改善しよう
トイプードルは比較的体臭の少ない犬種ではありますが、毛色や体質などの個体差によって臭いが強いこともあると言われています。一緒に暮らしていることで気にならなくなることもありますが、犬を飼っていない人や周りの人は臭いを感じているケースも。臭いはお手入れ不足だけでなく病気が隠れている可能性もあるので、「いつもと違う」ということに気がつけるようにしたいですね。
犬の臭いの原因は様々です。生き物なので無臭ということはありませんが、お手入れで防げる部分はなるべくケアしてあげましょう。
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