腸内環境を整えてくれる甘味料として、近年、特に女性の間で注目を集めているオリゴ糖。糖分と聞くと犬には必要ないと思われがちですが、実はこのオリゴ糖は犬にとっても嬉しい働きをしてくれるんです。
今回は、そんなオリゴ糖の特徴やなぜ犬にとっても嬉しい成分なのかについて詳しくご紹介します。オリゴ糖を上手に取り入れて、愛犬の健康を守りましょう。
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オリゴ糖ってどんなもの?
最近では、ドッグフードや犬のおやつにも添加されることが増えてきたオリゴ糖。糖と聞くと、犬に必要のない成分!と思われがちですが、まずはオリゴ糖とはどのようなものなのか、しっかりと理解しておきましょう。
オリゴ糖とは糖質のグループの一つ
勘違いされがちですが、オリゴ糖は砂糖やハチミツのような糖そのものの名称ではなく、果物に含まれている果糖やブドウ糖と同じ糖類のグループ名です。
オリゴとは、ギリシャ語で少ないという意味があります。糖は、果糖やブドウ糖など1個の糖からなる「単糖」、ショ糖や乳糖など2~10個の単糖が結合した「オリゴ糖(少糖類)」、そしてデンプンなど多くの単糖が結合した多糖類に分類されています。
ただし、オリゴ糖には明確な定義はなく、一般的には3つ以上の糖が結びついたものがオリゴ糖と呼ばれています。
ドッグフードの原材料表を見るとビートと書かれていることがあります。このビートは砂糖大根を指しますが、このビートを分離し、精製して得られるのは天然のオリゴ糖です。
犬に嬉しいオリゴ糖の働き
腸活に役立つとして注目を集めているオリゴ糖ですが、オリゴ糖にはサプリメントからシロップまでさまざまな商品があります。また、フラクトオリゴ糖、ビートオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖など種類も豊富です。そんなオリゴ糖の特徴とはどのようなものなのでしょうか。
2タイプあるオリゴ糖
オリゴ糖には、消化酵素で分解できる消化性のオリゴ糖と、分解されにくく大腸に直接届く難消化性オリゴ糖の2タイプがあります。
これは単糖類の結合の違いから生まれるもので、小腸で吸収される消化性のオリゴ糖は代用甘味料としてリーズナブルなシロップなどに利用されています。
また、腸内環境を整えると注目されているのは難消化性のオリゴ糖で、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、ラフィノースなどがあります。
オリゴ糖の働きとは
犬の体内に取り込まれた難消化性のオリゴ糖は、大腸へそのまま届けられます。大腸に届いたオリゴ糖は、ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌のエサとなり、犬の腸内で善玉菌を増やす働きをします。
善玉菌を増やす作用のあるオリゴ糖は約20種類あるとされていますが、その代表格がフラクトオリゴ糖で、犬用の食品にも多く使われています。
フラクトオリゴ糖の特徴
フラクトオリゴ糖は、砂糖を原料に酵素を作用させて作られるオリゴ糖です。砂糖がベースとなっていますが、甘さは砂糖の約半分程度で、また糖分として体内に吸収されにくいことも特徴の一つです。
犬の腸活にオリゴ糖が役立つ理由
腸の環境を整えるのに最適なオリゴ糖とされているのがフラクトオリゴ糖です。フラクトオリゴ糖は、腸内環境を整え、消化管の運動を助ける作用があります。
また、オリゴ糖が発酵することで、酢酸や酪酸などの短鎖脂肪酸や乳酸などが作られ、腸のぜん動運動の促進や大腸のph調整などが行われ、犬の腸内環境を整えてくれるのです。
犬にオリゴ糖を与える時の注意点
犬にとって嬉しい働きをするオリゴ糖ですが、オリゴ糖を摂取したからといって病気や体調不良がすぐに改善されるわけではありません。また、大量に摂取することで下痢などお腹の不調を起こすことが知られています。
オリゴ糖を与える時は少量からはじめ、量に注意しながら与えることが大切です。
オリゴ糖の働きは腸活だけじゃない
犬の腸内で発酵したオリゴ糖は、筋肉のエネルギー源やアミノ酸代謝、アンモニアの解毒・分解などに働きます。特に、フラクトオリゴ糖は腸内でミネラルの吸収を促進する働きがあることが報告されています。
このことからオリゴ糖は、犬の健康維持や増進に役立つ嬉しい成分といえます。
オリゴ糖を活用して健康管理を
犬の腸内細菌のバランスには個体差があります。犬にとって嬉しい働きをするオリゴ糖ですが、与えすぎには注意が必要です。
特に、ドッグフードにオリゴ糖が配合されている場合には、サプリメントなどでオリゴ糖を与える前に、どんなタイプのオリゴ糖がどの程度配合されているのかをチェックすることも大切です。
腸活は犬の健康維持にも大切なこと。いつまでも元気で長生きしてもらう為にも、オリゴ糖を上手に活用してくださいね。
参考文献
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