10年以上にわたり、日本の人気犬種ランキングで1位を獲得している犬種と言えば、トイプードルです。頭が良いのでしつけやすく、愛玩犬としての可愛らしさも兼ね備え、さらに日本の住環境でも飼いやすいサイズであることから、納得の結果ではありますが、プードルには実は6種類の大きさが存在していることを知っていますか?ここでは、プードルの種類ごとの呼び方と大きさをまとめてご紹介していきます。
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プードルって何種類いるの?
冒頭でお話した、何年にもわたり1位に輝いている人気の犬種は、プードルのなかの「トイプードル」という種類ですが、見かける機会も多いので、名前だけでピンとくる方も多いかと思います。プードルにはトイプードルの他にも色々なサイズがいるので、さっそく見ていきましょう。
全部で6種類のプードルが存在する
プードルには、小さい順に「ティーカッププードル」、「タイニープードル」、「トイプードル」、「ミニチュアプードル」、「ミディアムプードル」、「スタンダードプードル」がいます。ティーカッププードル、タイニープードルは、どちらも正式なサイズとしてJKC(ジャパンケネルクラブ)に認められていないため、公認のサイズは4種類になります。以下に、それぞれの体重と体高をまとめてみました。
体重 |
体高 |
|
---|---|---|
ティーカッププードル |
2㎏以下 |
23㎝以下 |
タイニープードル |
約2~3㎏ |
25㎝以下 |
トイプードル |
約3~5㎏ |
約25~28㎝ |
ミニチュアプードル |
約5~8㎏ |
約28~35㎝ |
ミディアムプードル |
約8~15㎏ |
約35~45㎝ |
スタンダードプードル |
約15~25㎏ |
約45~60㎝ |
※ティーカッププードルとタイニープードルのサイズは、あくまでブリーダーなどの間で基準としているサイズです。
※個体差があるため、体重は目安になります。
次に大きさの定義についても見ていきましょう。
超小型犬 |
体重4㎏未満 |
ティーカッププードル、タイニープードル、トイプードル |
小型犬 |
体重10㎏未満 |
ミニチュアプードル |
中型犬 |
体重25㎏未満 |
ミディアムプードル |
大型犬 |
体重25㎏以上 |
スタンダードプードル |
プードルという犬種だけで、超小型犬から大型犬までのサイズが存在していることが分かります。
それぞれのサイズの特徴とは
それぞれの体重と体高についてご紹介しました。もう少し詳しく、サイズごとの特徴を見ていきたいと思います。
ティーカッププードル
子犬の頃のサイズが、ティーカップに入る程の大きさで人気になったティーカッププードルは、アメリカで作出されました。前述した通り、JKCには正式なサイズとして認められていません。
トイプードルが骨折や関節炎などに注意が必要であるのと同様、さらに小さいティーカッププードルは、ちょっとした段差でも転んでしまったり怪我をしてしまう可能性が大いにして考えられます。滑りにくいようマットを敷いたり、高いところには行けないようサークルを活用したりするなどの工夫が必要です。
犬は小型になればなるほど神経質で臆病になる傾向があります。寒さにも弱いので、安心して暮らせるよう環境を整えてあげましょう。
後述する「先祖返り」が起こる可能性からも希少なサイズであり、十分な餌を与えず栄養不足の痩せた個体や、未熟な個体をティーカッププードルと偽って売るブリーダーも存在しています。ティーカッププードルと一緒に暮らしたいと考えている場合は、信頼できるブリーダーから健康的な個体をお迎えするようにしましょう。
タイニープードル
ティーカッププードルを作出する過程で誕生したとされています。こちらもJKCでは非公認です。ティーカッププードルとトイプードルの中間くらいの大きさですが、子犬の時期に成犬時のサイズを見極めるのは難しいため、思ったよりも大きく成長するということがよくあり、そのサイズには不安定さが残ります。知られるようになったのは十数年前なので、まだまだ未解明な部分も多い犬種です。
ティーカッププードル同様、怪我をさせない環境づくりが重要になります。
トイプードル
JKC公認の4種類のなかでは最も小さい種類です。動くぬいぐるみのような可愛さを持ち、日本国内でも1番人気のあるサイズなので、今現在一緒に暮らしているという方も多いのではないでしょうか?全犬種の中でトップクラスで頭が良く、しつけやすさと明るい性格も多くの人に愛されている理由の1つでしょう。
人気すぎるがゆえに悪徳なブリーダーにより繁殖され、疾患を抱えた子犬が多いという事実もあります。
ミニチュアプードル
一説には、トリュフの探知犬として作出されたといわれているサイズです。日本ではほとんど見かけることはありませんが、海外ではサーカスや災害救助犬としても活躍しています。運動神経の良さから、ドッグスポーツに出場している子もいるようです。
ミディアムプードル
中型犬に分類されます。柴犬ほどの大きさと言ったほうがイメージしやすいかもしれません。JKCには2003年に認定されたため、歴史の浅い犬種になります。ミニチュアプードル同様、日本ではなかなかお目にかかれないサイズです。スタンダードプードルがそのまま中型犬サイズになった見た目をしています。
スタンダードプードル
1番大きいサイズのプードルです。大型犬に分類されますが、従順な性格のため室内で飼うことができます。必要な運動量は多く、ドッグランなどに定期的に連れて行き、思いっきり走れる機会を作ってあげるのが望ましいです。身体は大きいですが穏やかで愛情深い気質なので、海外では盲導犬として活躍しているスタンダードプードルもいます。
共通する特徴
プードルは身体の大きさによって分けられているものの、シングルコートで抜け毛が少ない点や、毛色、身体の構成比率などは共通した特徴になります。高い知能や、フレンドリーで従順というような基本的な性格、運動神経の良さも変わりません。どのサイズでも活発なので、小さいプードルでもお散歩はするようにしましょう。ドッグランに連れて行ってあげるのもストレス発散になります。外出できない雨の日などは、知育玩具を使って遊んであげると喜びます。
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プードルには異なる体型がある?
プードルは大きさの他に、体型でも分けることができます。しかし、子犬のころに成長後の体型を判別するのは難しさがあります。どうしてもこの体型がいい!というこだわりがあるのであれば、両親犬に会わせてもらうと参考になるかもしれません。
ドワーフタイプ
脚が短くて、胴が長い体型を指します。可愛らしい印象で幼い顔つきをしている子が多いようです。体型としては1番人気があります。
ハイオンタイプ
脚が長くて、胴が短い体型です。腰の位置が高く、ドッグショーではこのタイプの子が多く出場します。スタイリッシュな印象を受ける体型ですね。
スクエアタイプ
脚も胴も同じくらいの長さで、横から見たときに正方形を描くという特徴があります。JKCではプードルの理想体型とされており、どんなカットスタイルも似合います。
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ティーカッププードルとタイニープードルはなぜ認定されていないの?
プードルのサイズは6種類あるとご紹介しました。しかしJKCに正式に認められているのはトイプードル、ミニチュアプードル、ミディアムプードル、スタンダードプードルの4種類です。なぜティーカッププードルとタイニープードルは認められていないのでしょうか?
犬種標準にそぐわないため
犬種には理想的な大きさや毛色、顔の特徴、身体のバランスなどがあり、それらに則った「犬種標準」というものが各犬種に定められていることに由来します。犬種標準は、希少さや見た目の珍しさに目をつけたブリーダーにより、無理な繁殖が行われることを防ぎ、その犬種が健康的であるための重要な指針になっているのです。犬種のスタンダードを守るためにも、ドッグショーや繁殖の際には小さすぎるサイズは推奨されないというのが理由になります。
ただし、この「犬種標準」はあくまで基準を示しているだけであり、スタンダードを外れているからといって問題があるというわけではありません。もちろん、犬種標準から大きくかけ離れたサイズなどの子は、矮小化による先天的な疾患や遺伝的な病気を抱えている可能性もあります。小さすぎるからダメというわけではなく、疾患の可能性が高いということを心に留めておきましょう。
ティーカッププードルとタイニープードルは犬種名ではない
現時点ではJKC、FCI(国際畜犬連盟)ともに非公認であるため、ティーカッププードルとタイニープードルという名称は犬種名ではなく、あくまでトイプードルよりも小さいサイズで成長した場合の「呼び名」ということになります。
そのため、トイプードルの血統書を持っている両親犬から生まれたティーカッププードル、タイニープードルのサイズに当てはまる子は、血統書の犬種名に両親犬と同じ犬種名が記されることになります。
体重のスタンダードは明記されていない
JKCのホームページを見てみると、プードルは体高については標準が定められているものの、体重については明記されていません。そのため、〇㎏以内~などというのは、プードルにおいては目安にすぎません。反対に、体重のみが定められ体高は定められていない犬種、またどちらも定められている犬種などさまざまです。
犬種標準を守るために「必ずこのサイズまたは体重、もしくはどちらも」と決まっていることもあれば、
- 体重については、「サイズと調和が取れ、全体的なバランスが最重要事項である」
- サイズ(理想体高)は示されているものの、「タイプ及び均整が取れていることが非常に重要であり、サイズだけに注意を払わない」
- サイズ(体高)のみ定めているが、「サイズを犬質(クオリティー)より重んじてはならない」
などの注が設けられている犬種もおり、
- 具体的な数値は定めておらず、サイズとのバランスが最重要
- 理想の数値は定められているものの、バランスも重視
- サイズは定めているが、クオリティーよりも優先してはいけない
など、バランスや犬質に重きが置かれている犬種もいました。これらはほんの一例にすぎませんが、数値だけを重視したものではなく、犬種ごとの理想が示されています。
プードルの大きさは定まらない?
トイプードルには「先祖返り」と呼ばれる現象が起きることがあります。子犬が生まれた後の血統書申請の時点では、成長後のサイズを予測できないという観点から、両親犬がトイプードルであれば、同じ犬種で子犬も血統書の登録ができます。しかし、プードルという犬種はもともと大型犬ほどの大きさの犬を小型化しているので、登録したサイズよりも遺伝により大きく成長してしまうことがあるのです。そのため、血統書にはトイプードルと記載があっても、その後、JKCが定めている犬種標準や、目安とされている体重より大きくなってしまうこともあります。また、はじめから大きいサイズで生まれてしまうこともあります。
他方で、トイプードルはプードルの中でも特に人気な犬種ゆえに、ミニチュアプードルやミディアムプードルが生まれた場合でも、餌を与えずやせ細った状態でトイプードルに見せかけ売るという悪徳なブリーダーも存在しています。つまり、トイプードルとして売られていた子が、(本来の大きさである)ミニチュアプードル・ミディアムプードルのサイズにまで成長した、ということも起こりうるのです。
ただしトイプードルはサイズによるバラエティーの変更が認められているので、血統書の表記を変更したい場合は、手続きをとり、認定されれば変更することが可能です。
トイプードルは1番人気のあるサイズ!
今回はプードルの大きさの種類と呼び名、それぞれの特徴を紹介しました。6種類の大きさがあるプードルは、長い歴史の中で人々のパートナーとして暮らしてきた犬種であり、今日まで愛され続けています。しかし、人気ゆえの悪質なブリーディングの問題も忘れてはいけません。トイプードルを迎えるときは、そのサイズや体型にこだわりすぎず、その子の個性を大切に育てていってあげてください。
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