いつも一緒に過ごしてきた愛犬が亡くなってしまい、悲しくて涙がとまらず夜も眠れないという方もいるのではないでしょうか。愛犬が亡くなることはとてもつらく苦しいことですが、その状態が長期間続いてしまうのは「ペットロス」の症状かもしれません。
今回の記事ではペットロスの症状や、つらい悲しみの乗り越え方をお伝えします。
ペットロスとは?
ペットロスとは、最愛のペットを失う喪失体験をして精神的・身体的にすぐれない状態のことをいいます。いつかはペットの死を受け入れなければならない日が来ると分かっていても、家族同然に愛を注いでいた愛犬がいなくなる悲しみは耐えがたいものです。
そのため、ペットロスは最愛のペットとのお別れを経験した飼い主なら誰でも起こりうる自然な症状です。ペットロスになったからといって後ろめたく感じる必要はなく、症状が重い場合はまわりの人のサポートを受けることも大切です。
ペットロスの主な症状
犬のペットロスの症状として、具体的には以下のようなものがあります。
- 疲労感がいつまでも抜けない
- 孤独感や不安感が非常に強い
- めまい
- 眠れない
- 自分を責めてしまう
- 食欲不振が起こる、または増進する
- 涙が止まらない・突然涙が流れる
- 無気力になり何も手がつかない
- 外出できない
- 亡くなったペットの姿が見える(幻覚)
- 胃の調子が悪い、頭痛がする
上記のような症状が出たからといって自分を責める必要はまったくありません。時間の経過とともに症状がやわらぐこともあります。
また、愛犬に対する価値観や愛情は人によって違うため、家族の中であっても症状の違いが出てくることも。もし、愛犬を失ったことをきっかけに優うつな気分や空虚感、不眠などの不調などが数カ月も続くような場合は、かかりつけ医や精神科医・心療内科医に相談してみるのもひとつの方法です。
ペットロスを乗り越える過程
ペットロスから心身ともに回復して乗り越えられるまでの期間は、平均で10カ月程度とされています。そして、その過程には以下のような段階があります。
- 否定
- 交渉
- 怒り
- 受容
- 解決
1.否定
ペットとのお別れに直面したとき、あまりの悲しさから現実を受け入れることを拒否して防衛本能がはたらいている状態です。この状態が何ヶ月も続くことはありませんが、現実を受け入れるには時間が必要となります。
2.交渉
神様やペットの霊に願いをかけ、ペットが戻ってくるように願う時期です。
3.怒り
ペットが亡くなった原因を自分や家族、獣医師のせいにしようと思い込む症状です。自分に対する怒りの場合は後悔となってあわられます。
4.受容
ペットがもう帰ってこないということを理解し、怒りがおさまり少し落ち着いた時期です。冷静さを取り戻して現実を受け入れられる状態になることで、より深い悲しみを味わうこともありますが、時間の経過とともに薄らいでいきます。
5.解決
ペットを失った悲しみが薄らぎ、立ち直る段階です。ペットと過ごした日々を大切な思い出として感じられるようになるまで気持ちが回復した状態です。亡くなったペットの思い出話を語ったり、人生に対して「頑張ろう」と前向きに思えるようになります。
ペットロスを乗り越える方法
愛犬を失ったときは、悲しみを乗り越えようと頑張りすぎないことが大切です。悲しみは頑張って乗り越えるものではなく、まずは受け入れていくことが第一歩です。ここでは、ペットロスの乗り越え方のポイントを4つ紹介します。
- 我慢せずに思う存分泣く
- 自分を責めない
- 親しい人やカウンセラーに自分の思いを話して聞いてもらう
- 遺品整理は気持ちが落ち着いてから
1.我慢せずに思う存分泣く
ペットロスの症状が出た場合は我慢せずに泣いて気持ちを解放することを大切にしてください。やり場のないつらさを感じるときは、無理をせず感情のままに悲しむことがペットロスを乗り越える上で最も重要です。
悲しみを我慢して自分の感情に嘘をついたとしても、気持ちをいつまでも整理できずお別れを受け入れられないままになってしまいます。そのため、悲しいときは感情のままに思いっきり泣くことが大切なのです。
2.自分を責めない
愛犬への依存度が高かったり、愛犬との別れを自分の責任として感じてしまったりする場合はペットロスが重症化してしまうことがあります。自分を責めたり過去を振り返ってばかりいると、愛犬との別れを受け入れられなくなってしまうので自分を責めないようにすることが大切です。
3.親しい人やカウンセラーに自分の思いを話して聞いてもらう
自分の気持ちを親しい友人や家族に聞いてもらうことで気持ちが少し安らぎます。同じように愛犬とお別れした経験がある方ならあなたの気持ちもよく理解しやすく、そっと心の支えになってくれるでしょう。
「誰にも会いたくない」と1人で考え込まず、信頼出来る人に相談してみるのもひとつの方法です。また、まわりに頼ることが難しい場合は、ペットロスカウンセラーなどの専門家に依頼するのもおすすめです。
4.遺品整理は気持ちが落ち着いてから
部屋の掃除をするのはかまいませんが、無理して「遺品整理を早くしなければ」と思う必要はありません。愛犬の遺品は大切な宝物なので、心の準備が整うまで整理するのを待っても大丈夫です。
ペットロスは悲しみを受け入れることが大切
愛するペットとの別れは悲しくてつらいもの。そのため、ペットロスは誰にでも起こりうる自然な反応です。しかし、悲しみやつらさはずっと永遠に続くものではありません。いつかペットロスを乗り越えて愛犬との思い出を笑顔で話せる日が来るまで、ゆっくりとお別れを受け入れることが大切です。
愛犬との思い出を大切にしながら、あまり無理せずに過ごしてくださいね。
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