私たち人間にとっては、身近な存在の大豆。茹でたり、炒ったり、発酵させたりと、調理法を変えれば色々な食品に変化する使い勝手の良い食材です。味噌や醤油、豆腐の原料でもあり、人間にとっては体に良いというイメージの大豆ですが、犬のとってはどうなのでしょうか?今回は「犬と大豆」についてご紹介します。
犬は大豆を食べても大丈夫!大豆を与えるデメリット・デメリットについて
基本的に犬は大豆を食べても大丈夫ですが、与え方や与える量によっては有害になることも。個体差や体質などもありますので、すべての犬にとって必ずしも安全な食材ではないという事に留意してください。大豆アレルギーの場合もありますので、愛犬に与える際には十分注意をした上で与えるようにしましょう。
犬が大豆を食べるデメリット|大豆アレルギー
一部の犬には大豆アレルギーの症状が出てしまう場合があります。主なアレルギー症状は、「下痢、嘔吐、発疹、呼吸困難」など。初めて大豆を与える際には少量から与えて、アレルギー症状が出ないか確認した方がよいでしょう。大豆は比較的アレルギーを発症しやすいため、大豆を与えた後にこのような症状が見られた場合には、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
犬が大豆を食べるメリット
大豆は良質なタンパク源であると同時に、栄養素もたくさん含まれています。イソフラボンやサポニンには、若々しさを保つ働きや老化予防の効果も期待できます。お肉よりもカロリーも脂質も低いので、太りぎみな犬にはオススメです。ただし、大豆に含まれる植物性タンパク質は、お肉由来の動物性タンパク質と比べると犬にとっては吸収しにくくなっています。ヘルシーだからといって大豆を与えすぎたり、動物性タンパク質をゼロにしたりすることはよくないのでやめましょう。
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大豆は栄養素が豊富!
大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど、栄養素が豊富に含まれています。主な栄養素は、タンパク質、炭水化物、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄など。どれも健康な体を維持するために重要な成分です。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット
植物性タンパク質
タンパク質は体を形成する上で欠かせない成分です。タンパク質が不足してしまうと、体力低下につながったり、体の成長に影響を及ぼすこともあります。大豆にはそのタンパク質が豊富に含まれているため、健康維持に役立ちます。
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炭水化物
タンパク質、脂質と並ぶ、エネルギーのもととなる栄養素です。不足すると疲労感や集中力の低下を招きます。反対に、炭水化物を過剰摂取すると、エネルギーとして消費しきれず、肥満などの原因にもなります。
マグネシウム
必須ミネラルの1つで、リンやカルシウムとともに骨の形成や、代謝を助ける役割を持っています。筋肉を動かしたり、体温の調整などの働きもあります。マグネシウムが足りなくなると、骨の形成に影響が出たり、不整脈や高血圧を引き起こします。
カルシウム
カルシウムといえば牛乳のイメージですが、実は大豆にもカルシウムが含まれています。知っての通り、カルシウムは骨や歯の形成や成長に必要な成分。犬は牛乳を与えると消化不良を起こしてしまうため、牛乳の代わりに豆乳をあげるという選択肢もあります。
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カリウム
カリウムには、心臓や筋肉の働きを調節する働きがあります。また、神経伝達機能などにも働く大切な成分です。 カリウムが欠乏すると、脱力感や筋肉の麻痺、心臓や腎臓の機能低下などの症状が表れます。
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鉄
必須ミネラルの1つです。赤血球や筋肉中に多く存在しています。鉄分が不足すると貧血を招き、集中力の低下や頭痛、ふらつきなどの症状が出ます。
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犬に生の大豆はNG!OKな調理方法は?
栄養たっぷりの大豆ですが、与え方には注意が必要。愛犬に与えるなら、どのようにして与えるのがよいのでしょうか?犬にとって害になることもありますので、しっかりと確認した上で与えるようにしましょう。
生の大豆はNG!有害成分が含まれている
まずはNGな与え方。大豆は生のまま与えてはいけません。生の大豆には、人にも犬にも有害な成分「トリプシンインヒビター」が含まれています。犬はこれによって消化不良になり下痢を起こしてしまう恐れがあります。
加熱処理をすれば有害性は消えますので、愛犬に与える際には必ず加熱したものをあげるようにしてください。
炒った大豆でも、豆の形のままは消化不良の危険あり
節分のときに蒔くような炒った大豆であっても、硬いので犬にとっては消化不良の原因になります。下痢などを起こしてしまう事もありますので、炒った状態であったとしても、そのまま与えるのはNGです。さらに小型犬に与える際には、喉に詰まらせてしまう恐れもあります。細かく砕くか、茹でた大豆をすりつぶしてペースト状にしたものをあげるようにしてください。
大豆の加工品を与えるのがオススメ
愛犬に大豆を与える時には、大豆の加工品を与えるのがオススメです。豆腐や豆乳、きな粉、納豆などが加工品にあたります。ただし、豆乳は成分無調整のものを、きなこも砂糖などが入っていないものを選ぶようにしてください。人間用に味付けや香り付けがされているものは、犬の体にはよくないです。
豆腐や豆乳は冷えた状態で与えてしまうと、お腹をこわしてしまうこともあるので、常温に戻し、スプーン1杯からなど少量から様子を見ながらあげてみてください。また、きな粉をいつものドッグフードにトッピングしてあげるのも手軽にできる方法でオススメの与え方です。きな粉は犬の嗜好性も高いので、ドッグフードや犬のおやつにもよく使われています。
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適量はどれくらい?
1日に摂取する総カロリーの約10%位を目安にするとよいでしょう。消化不良やアレルギー反応を起こしてしまうこともあるため、メインで食べさせるというより、おやつやごはんのトッピングにとどめるのがポイントです。
与え方に気を付けて、愛犬も大豆で健康維持を!
栄養素が豊富に含まれる大豆は、きちんと量や与え方を守れば犬の健康維持に役立ちます。 もちろん愛犬にあげる時には味付けなどはせず、その子に合った量をあげることが大切ですので、きちんと覚えておきましょう。
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