夏の風物詩でもある「蚊取り線香」。蚊によって媒介されるフィラリア症を防ぐために蚊取り線香を使いたいけれど、独特な煙が犬にとって害がないのか心配な飼い主さんも多いのではないでしょうか。ここでは、犬のそばで蚊取り線香を使う際の注意点や上手な使い方、犬が誤って食べてしまった場合にすべきことをご紹介します。
「蚊取り線香」は犬にとって有害?
蚊取り線香は、人間や犬にとって特別有害なものというわけではありません。ただし、犬がいるゲージの真横などでは煙を思い切り吸い込んでしまい、悪影響を及ぼす可能性があるので、あまりそばでは使わないようにしましょう。蚊取り線香の主な成分をご紹介します。
蚊取り線香に使われている成分とは
蚊取り線香の主な成分は、ピレトリンという除虫菊から分泌される天然由来の成分です。そして、蚊取り線香の多くにはピレスロイドという合成化合物も含まれています。これらの成分は、哺乳類には害が無いと言われています。昆虫や魚類には悪影響を及ぼすため、飼育している場合には注意しましょう。
犬のそばで蚊取り線香を使う際の注意点
犬のために蚊取り線香を使う場合の注意点をご紹介します。
呼吸器系が弱い子は注意が必要
シーズーやペキニーズ、パグ、フレンチブルドッグなどの短頭種は呼吸器系が弱いので、蚊取り線香をつけた後には呼吸が辛くないか、咳込んでいないかを観察しましょう。
アレルギー反応を引き起こす可能性
蚊取り線香に含まれる成分によって、吸引性のアレルギー反応を起こすことがあります。犬の様子に変化が見られたときは蚊取り線香を消し、動物病院に相談しましょう。
蚊取り線香を安全に使うためにできること
犬に蚊取り線香を使う際の上手な使い方をご紹介します。
犬から離れた場所で使用する
犬のそばで蚊取り線香を使用すると、煙をたくさん吸い込んだり、興味本位で近づいてやけどを負ってしまう危険性があります。犬から離れた場所で使用しましょう。
部屋のドアは開けておく
けむりをこもらせないためにも、ドアは開けて使用しましょう。
換気する
蚊取り線香に対してアレルギーが無かったとしても、煙の吸い込みすぎは身体に良くありません。定期的に換気し、煙がこもらないようにしましょう。
誤って食べてしまったらどうしたらいい?
犬は好奇心で蚊取り線香を食べてしまうことがあります。火がついたものを食べてしまった場合には、やけどを負っていないか確認しましょう。
犬が嘔吐を繰り返したり、ぐったりする様子があれば、中毒の可能性があります。大量に食べてしまった場合には危険度が高くなるので、速やかに動物病院を受診しましょう。
誤飲させないことが最優先
誤飲させないことが一番大切ですね。
誤飲しないよう訓練する
おもちゃをくわえている犬に対して飼い主さんが指示を出し、犬がおもちゃを離したらすぐにおやつをあげ、更におもちゃも返してあげるということを繰り返すと、犬は「くわえているものを離すといいことがある」と学習します。とっさのときに指示を出すことで、蚊取り線香を飲み込まずに口から離してくれることが期待できます。
犬から届かない所で使用する
一番は、犬がいじらないように扱うということです。蚊取り線香は犬から届かない所に設置し、保管する際も犬には見つけられないような場所に保管しましょう。
犬用の蚊取り線香も!違いはある?
ペット用の蚊取り線香は、農林水産省に承認を受けた動物用医薬部外品です。それに対し人用の蚊とり線香は、厚生労働省の承認を受けた医薬部外品になります。
ペット用の蚊取り線香は、ペットが線香の火に触れてやけどを負うことのないよう、線香皿の蓋の穴を小さくした安全設計になっています。また、燃焼時間が長いということもペット用蚊取り線香の特徴です。
蚊取り線香を使う際は注意点を守ろう
夏は虫刺されによる炎症やフィラリア症などが心配になる季節です。虫対策に蚊取り線香を使用する際には、使用上の注意点を守り安全に使いましょう。もちろん、動物病院でのフィラリア症対策も忘れずに行いましょう。
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