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保健所に連れていかれた犬はどうなるの?飼育放棄ゼロに向けてわたしたちが考えなければいけないこと

迷子や飼育放棄、または何らかの理由により飼い主のもとを離れ、保健所に持ち込まれた犬は、収容期限を迎えて命が絶たれてしまう場合もあります。飼い主の都合によって犬を不幸にしないために、保健所に持ち込まれる犬の現状を知り、飼い主として考えるべきことは何かを頭に入れておきましょう。

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保健所の業務内容とは

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 保健所は、地域住民の健康や衛生に関わる事業をしている公的機関です。地域保健法により、都道府県や政令指定都市、中核市や特別区などが設置します。

保健所の業務は大別すると、地域住民に対する対人保健分野と、地域に関するものに対する対物保健分野に分けられます。どちらも業務内容は実に多岐にわたりますが、対物保健分野の中に動物に関する業務があります。

しかし、保健所で扱う動物関連の業務を、動物愛護センターに移行しているところも多く、保健所では一切扱っていない場合もあります。

保健所が扱う動物に関する業務は、具体的にどんな内容なのか見ていきましょう。

負傷した動物や飼い主から持ち込まれたペットなどの引き取り

 保健所では負傷した動物や迷子の動物、なんらかの理由により飼い主から持ち込まれたペットを引き取り、一時的に保護する業務をしています。保健所に保護された動物の収容期限は、保健所によって異なります。 

犬の登録・鑑札の交付

 狂犬病予防法により、犬の飼い主は犬を迎えたら保健所へ登録申請をすることと、年1回、狂犬病予防注射をすることが義務付けられています。よって、保健所では犬の登録、鑑札および狂犬病予防注射済票の交付を行っています。 

保健所に持ち込まれた犬はどうなるのか

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 何らかの理由により飼い主のもとを離れ保健所に持ち込まれた犬は、その後どうなっていくのかを知っておきましょう。 

飼育を継続できる方法がないかを再度確認する

 飼い主が、なんらかの理由で育てられないとして犬を保健所に持ち込んだとしても、保健所はすぐに了承して引き取るわけではありません。なぜなら、殺処分になる可能性がある前提で引き取るからです。

飼い主が保健所に犬を持ち込む理由はさまざまですが、例えば「言うことに従わないから飼えない」という理由であれば、ドッグトレーナーに相談する、しつけ教室に通うなど、手を尽くせることがまだ残っていることもあります。そのため、飼育が継続できる方法をアドバイスし、飼い主にギリギリまで努力を続けさせます。

収容期間内で新しい飼い主を探す

 迷子犬や手を尽くしても育てられないとして持ち込まれた犬は、まず一定の期間収容されます。収容期間は、多くの場合において土日・祝日を除いて7日間ぐらいです。そして「収容動物情報」が公示され、飼い主へ返還、または里親希望者がいて一定の条件を満たしていれば譲渡します。

また、動物保護のボランティア団体が保健所から引き出して保護し、譲渡会で里親を探す場合もよくあります。

動物保護センターに移送して殺処分

 収容期間内に新しい飼い主が見つからない場合は、各都道府県にある動物愛護センターに移送し殺処分となります。

参考までに2018年度に保健所に持ち込まれた犬の頭数は35,535頭、そのうち飼い主へ返還・里親に譲渡されたのは28,032頭、そして殺処分となったのが7,687頭です。(※1)保健所に持ち込まれた犬の約9割が飼い主不明で、約1割が飼い主による持ち込みです。

保健所に持ち込まれる犬の数も殺処分数も年々減ってきてはいます。しかし、それでも殺処分ゼロにはほど遠いのが現状です。

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飼い主として考えるべきことと必要な覚悟

犬

 犬を迎えたら、愛犬が最期を迎えるまで責任を持って適切に育てるのが原則で、動物愛護管理法にもその旨が明記されています。保健所に持ち込まれる犬の殺処分の現状を踏まえ、飼い主として以下のことを考える必要があります。 

子犬の出産について

 犬は1回の出産で複数頭を産むので、安易に子犬を産ませてしまうと、育てられないということになりかねません。そのため、出産を考えていないのであれば、避妊手術をすることも選択肢の1つとして考えておく必要があります。 

迷子になっても身元がわかるようにしておく

 万が一、愛犬が迷子になっても身元がわかるように、迷子札や鑑札、マイクロチップを装着しておきましょう。

保健所に持ち込まれる犬のほとんどが、飼い主不明の犬です。首輪が付いていても身元がわかるものがないために収容期間内に飼い主に返還できず、やむを得ず殺処分となるケースも少なくありません。そのため、身元が分かるようにしておけば、殺処分数の減少につながります。

終生飼養ができるのかをよく考えてから迎える

 当たり前のことですが、終生飼養ができるのかをよく考えてから犬を迎えるようにしましょう。犬との暮らしは楽しいことだけでなく、しつけの問題や高齢犬になったときの介護の負担など、大変な一面があるのも現実です。

そのため、どんなことがあっても愛犬に寄り添って最期まで責任を持ってお世話できるか、経済的にやっていける余裕があるかをよく考えてから迎え入れるようにしましょう。

犬を飼いたいと思ったら、誰でも簡単に購入できますが、ショーケースの中にいる犬は、「物」ではなく「命ある動物」です。かわいいから、トレンドの犬種だからという理由で衝動買いをしてはいけません。犬を飼い始めて「やっぱり育てるのが無理」となっては、犬を不幸にするだけだということを覚えておきましょう。

後見人を探しておき安易に保健所に持ち込まない

 飼い主の入院や持病の悪化などにより、どうしても飼えないとして保健所に犬が持ち込まれるケースも多くあります。そのようなことを防ぐために、もしも育てられなくなっても、愛犬を引き取り責任持って育ててくれる後見人を探しておきましょう。

後見人が見つからない場合は、後見人を探すサポートをしてくれる互助会に入会しておくのも1つの方法です。互助会はNPO法人と提携して里親を探す、提携先の老犬ホームで終生飼養をするなどをしてくれます。

飼い主の事情で犬の命が犠牲になることがないようにするのも、飼い主としての責任です。

大切な家族である愛犬を安易に保健所に持ち込まない!

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 保健所に持ち込まれた犬は一時的に保護されますが、あくまでも殺処分の可能性がある前提での保護です。安易な気持ちで飼い始めない、無計画な出産により子犬の数を増やさない、身元をわかるようにしておく、後見人を探しておくことは飼い主としての責任です。 「これ以上育てるのは無理かも……」と思っても安易に保健所に持ち込まず、あらゆる手を尽くして最期まで面倒をみる努力をすることが重要です。

出典

※1:環境省|犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況

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