コーギーといえば、ちょこまかと動く短めの足にプリプリのかわいいお尻がチャームポイントですよね。コーギーと一緒に暮らしていない方であってもそのキュートなお尻ファンの方も少なくないですよね。実は、あのしっぽが短いお尻は、自然にできるものではないのです。ここでは、コーギーのしっぽが短い理由や現在の世論、しっぽが短いことによるデメリットなどを少し真面目にご紹介していきます。
コーギーのしっぽが短いのはなぜ?
コーギーのチャームポイントであるしっぽのないまんまるのお尻。しかし、コーギーは元々しっぽの長い犬種なのをご存知でしょうか?
しっぽを切る「断尾」
コーギーには2種類の犬種がいて、日本で飼育されているほとんどのコーギーは「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(以下、ペンブローク)」となります。日本では飼育頭数が少ない「ウェルシュ・コーギー・カーディガン(以下、ガーディガン)」とは外見がとてもよく似ています。決定的なこの2種類の違いは『しっぽ』です。しっぽがあるのがカーディガン、しっぽがないのがペンブロークと見分けられていました。
しかし、ペンブロークのしっぽは生まれつきないのではなく、人の手によって切られているため、少し丸まったような短い状態となっています。生後1週間以内にしっぽを切る「断尾」をすることで、意図的に短くしています。
コーギーのしっぽを切る理由
それでは、なぜコーギーのしっぽを切るのでしょうか?理由については諸説あり、その理由を知るためにはコーギーがイギリスで有能な牧畜犬として活動していた頃まで遡らなければなりません。
牧畜犬として活動するため
コーギーは、元々牛追いの牧畜犬として活躍していました。自分の何倍もの大きさの牛を追うには牛の踵を噛んで誘導していたため、長いしっぽを牛に踏まれたりして、怪我をしないように断尾されていたと言われています。
また、元々ふさふさで長いしっぽを持つコーギーが、きつねに間違われて銃で撃たれることがないように断尾していたという説もあります。
税金対策
コーギーの原産地イギリスでは、過去にしっぽのある犬に対して課税が行われていました。そのため、節税目的でしっぽを切っていたと言われています。
また、カーディガンが飼育されていた丘陵地帯では、閉鎖的な暮らしをしていたために税金が課せられず、カーディガンは断尾をする必要がなかったという説が有力になっています。
コーギーはしっぽありという本来の姿に
最近では、しっぽを切る行為に外見を変化させる美容目的以外の理由はなく、断尾についても見直されてきているようです。
しっぽがないことのデメリット
しっぽは、犬にとって感情を表現するために大切な手段です。しっぽの位置や振り方なので、嬉しかったり、怖かったり、興奮状態にあるのを私達飼い主が知ることができるのです。また、犬のしっぽはバランスを取る役割もあるため、運動神経、平衡感覚などに影響がでる可能性もあります。
ヨーロッパ諸国では法律で禁止されている国も
動物愛護の観点からヨーロッパ諸国では、コーギーの断尾を法律で禁止している国も増えてきています。
コーギーの断尾のやり方は、生後まもない子犬のしっぽを麻酔なしで切り落とすのです。目や耳が機能していない生後まもない子犬であっても痛覚はあるというデータもあり、子犬はちゃんと痛みを感じているのです。そう考えるととても残酷な行為ではないでしょうか?
コーギーのしっぽあり・なしについて考えてみよう
コーギーのプリプリのお尻はとてもかわいく、見ていて癒やされますが、その裏には断尾という歴史的な背景があります。最近では、日本でも断尾をしないブリーダーが増えてきていますよね。しっぽが長くても短くてもコーギーは、明るく陽気でフレンドリーな最高のパートナーになってくれると思います。コーギーをお迎えする際は少しだけ尻尾のことも考えてみてはいかがでしょうか?
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