ペットショップのショーケースの中にはいつでもかわいい子犬がいますが、全ての子犬が購入されていくとは限らず売れ残ってしまうこともあります。そんな売れ残ってしまった子犬は、その後どうなるのか疑問を持ったことはありますか?
目を背けてはならないペットショップの実情について知り、私たちが取れる行動を考えてみましょう。
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ペットショップで売れ残った子犬はその後どうなる?
一般的に、ペットショップで販売されている子犬がよく売れる時期は生後2~3ヶ月です。この時期の子犬は、見た目も仕草も無邪気でかわいいことから特に人気があり、高値がついています。そして、売れどきが過ぎて子犬の幼さが薄らいでいくと、なかなか売れなくなっていくので価格を下げ、ペットショップによってはただ同然のような激安価格で売り切ろうされることもあります。
しかし、それでも売れ残ってしまう場合もあり、買い手が見つからなかった子犬は以下のような運命をたどることになります。
引き取り屋に買い取ってもらう
売れ残った子犬を有料で引き取る「引き取り屋」に引き渡しているケースも多くあります。というのも、以前は自治体の保健所や動物愛護センターに売れ残った動物を持ち込めましたが、2013年に動物愛護法が改正されたことにより保健所や動物愛護センターは動物取扱業者からの受け入れを拒否できるようになったため、売れ残った子犬は引き取り屋のもとに行くようになったのです。
引き取り業者自体は違法ではありません。しかし悲しいことに、引き取った犬をネグレクト(必要な世話をせず、適正な飼育を怠り放置している虐待状態)により、衰弱や死亡させるケースが起こることも少なくありません。実際のところ、過去には引き取った犬を大量に死なせ、河川敷に死骸を遺棄した事件が起きています。
このように、引き取り屋によって悲しい運命をたどっている売れ残りの犬たちがいることは、私たちが目を背けてはならない重要な問題です。
譲渡会で里親を探す
良心的なペットショップの場合は、民間の動物愛護団体と連携して譲渡会を開催し里親を探します。すぐに里親が見つからないときは、一時的に動物愛護団体や団体に協力している個人の預かりボランティアさんが預かり、次に開催される譲渡会でまた里親を募ります。
ペットショップの売れ残りをなくすために私たちができること
売れ残りのペットを減らすために、小さいながらも私たちにできることはあります。
里親になって犬を迎える
売れ残りのペットを減らすためは、動物愛護センターやボランティア団体が開催している譲渡会などから犬を迎えて里親になることを、もっと身近にしていく必要もあるでしょう。ペットショップでの子犬の需要が減れば収益を得ることが難しくなっていくので、生体販売をしない新しいビジネスモデルのペットショップが増えていく可能性があります。
意思表示をしていく
引き取り屋の問題はテレビメディアでも大きく取り上げられ、生体販売を禁止する法制化の署名活動などを行っている動物愛護団体もいます。また、ペットショップで売れ残った犬猫の現状を知ってもらうためにSNSで発信している人もいます。
このような活動に署名をしたり、リツイートをして情報を拡散したりするのも売れ残りのペットを減らすための力になれるかもしれません。個人でできることは少なく微力かもしれませんが、どんな形であれ意思表示をしていくことが大切です。
生体販売をやめ里親探しにシフトしたペットショップも
動物の多くの命が犠牲になっている生体販売のあり方に疑問を持ち、生体販売をやめるペットショップも出てきています。その一例として挙げられるのが、千葉県千葉市にあるペットショップ「animal life 千葉本店」です。
animal lifeはかつて生体販売をしていましたが、現在ペットショップにいるのは保健所から保護した犬猫のみで里親希望者に譲渡しています。譲渡費用17,500円、保護期間中に医療費がかかった場合は、その費用(最大35,000円まで)も里親から受け取る形をとっていますが、animal lifeには動物病院やトリミングサロン、老犬・老猫ホームなども併設されており、それらの収益を譲渡活動に回して運営しています。
今後このようなペットショップが増えていけば、売れ残りで犠牲になる動物の命は減っていくはずではないでしょうか。
ペットショップで売れ残るペットの命にも目を向けよう
ペットショップで販売されている子犬の売れ時期はとても短く、売れ残って里親が見つからない場合、悲しい運命をたどる犬もたくさんいます。商品として売られているペットは「物」ではなく「命ある動物」です。売れ残るペットの命にも目を向け、小さな命が犠牲にならないためにできることをこれを機に考えてみてくださいね。
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