子犬はみんな可愛いですが、もちもちころころなパグの子犬は困っているかのように見える表情も相まって庇護欲を掻き立てられる存在ですよね。日本でも飼っている人が多い人気の犬種なので、いつかパグをお迎えしたいと考えている人も多いと思います。そこで本記事では、子犬期ならではのお世話の仕方についてや、子犬期にやっておくべきしつけなどをまとめて解説します。パグの赤ちゃんをお迎えしたいと考えている方はぜひ目を通してみてくださいね。
ライフステージによる違いってなに?
冒頭でも少し触れましたが、子犬と成犬、そしてシニア犬では、それぞれのライフステージによってごはんの回数やトイレの回数、睡眠時間の長さなどが異なります。具体的に見ていきましょう。
ごはんの回数
子犬期は成犬よりもごはんの回数が多くなります。これは1度にたくさんの量のごはんを食べられない(消化することができない)ことや空腹の時間が長くなり低血糖症を引き起こすリスクを下げるためです。
たくさんの量を1度に食べると下痢や嘔吐の原因にもなるので、子犬のうちは1回あたりの量は少なく、回数を多くしましょう。
月齢ごとの目安は以下の通りになります。
ライフステージ |
子犬 |
成犬 |
シニア |
---|---|---|---|
ごはんの回数 |
~生後3ヶ月頃:3~5回/日 生後3~6ヶ月頃:3~4回/日 生後6~12ヶ月頃:2~3回/日 |
2回/日 |
2~4回/日 |
上記の回数はあくまで目安です。愛犬の様子にあわせて適宜調整してください。
身体の大きさによって「子犬期」の長さは異なりますが、小型犬であるパグの場合、生後10か月頃までが子犬期にあたると言われています。
身体が急激に成長する期間なので、栄養豊富で消化吸収の良いドッグフードを選ぶのがポイントです。おやつは消化不良を起こしたりのどに詰まらせるリスクもあるため、生後3ヶ月頃までは与えるのは避けましょう。
おやつを与える時期の目安はこちらの記事をチェック!
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トイレの回数
子犬は成犬に比べてトイレの回数が多いです。成犬になると、ある程度尿を膀胱に溜めておくことができるようになり、我慢もできるため、トイレの回数は減っていきます。
子犬 |
成犬 |
シニア |
|
---|---|---|---|
排尿 |
7~10回/日 |
3~5回/日 |
5~6回/日 |
排便 |
5~6回/日 |
1、2回/日 |
1回/日 |
トイレの時間のサイクルは「月齢+1時間」が目安とされています。例えば、生後3ヶ月の子犬であれば、約4時間に1度排泄し、1日で平均6回程度という計算です。
ただし排泄の回数には個体差もあります。1度にたくさんする子もいれば、マーキングのために少量を複数回にわたってする子もいるので、健康管理のためにも愛犬が1日に何回排泄するのかよく観察しておきましょう。
回数が極端に増えた場合や減った場合には、すぐにかかりつけ医に相談するようにしてください。
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睡眠時間の長さ
犬はもともと睡眠時間が長い生き物ですが、特に子犬は睡眠時間が長いです。身体の成長や脳の発達のために十分な睡眠が必要なことはもちろん、好奇心旺盛で体力を消耗しやすいため回復に時間がかかり、睡眠時間が長くなると考えられています。
子犬 |
成犬 |
シニア |
|
---|---|---|---|
平均睡眠時間 |
18~19時間 |
12~15時間 |
20時間前後 |
犬をお迎えしたばかりの頃はつい構いたくなってしまいますが、犬は人間に比べて眠りが浅いこともあり、長い睡眠時間が必要です。快適な睡眠環境を整えて、寝ているときにはできるだけ邪魔をしないようにしましょう。
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健康管理
子犬は、母犬から初乳を通じて移行抗体と呼ばれる免疫をもらいますが、この移行抗体はだいたい生後6~8週齢で消失してしまうので、感染症にかからないようにするためにはワクチンを接種して新たな免疫を獲得しなければいけません。
狂犬病ワクチンは法律で義務付けられている一方で、コアワクチンの接種は任意です。そのため、コアワクチンはできれば打たせたくないと考えている飼い主さんもいらっしゃいます。しかし、感染症の中には致死率の高いものも多く、接種を控えた結果感染してしまい、命を落としてしまう事例も少なくありません。
特に子犬は免疫力が低いので、愛犬を感染症から守るためにも、流行させないためにも狂犬病ワクチンに加えて混合ワクチンの接種も受けるようにしましょう。
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また、ワクチンの接種のほかにも、動物病院で定期的に健康診断を受けることも大切です。子犬、成犬、シニアに関わらず、1年に2回は受診するのが望ましいと言われているので、病気を早期発見するためにも健康診断を受診することをおすすめします。
特に子犬は体調を崩しやすく、症状が急速に悪化することもあるため、異変を感じたらすぐに獣医師に相談してください。
子犬期のうちにやっておくべきことって?
犬と一緒に暮らすうえでしつけやトレーニングはとても重要です。もちろん成犬になってからもしつけやトレーニングは可能ですが、新しい物事を受け入れやすい子犬よりも時間がかかり、かなりの根気が必要になります。特に生後3~12週齢の社会化期にさまざまな経験をさせてあげることで家族以外の人や他の犬を怖がりにくくなったり、身体のお手入れを嫌がらずに受け入れてくれるようになるので、ぜひ早い段階ではじめましょう。
ここでは迎えた初日からはじめるべきしつけ・トレーニングと、子犬が新しい環境に慣れ始めてからはじめるしつけ・トレーニングに分けてご紹介します。
迎えた初日からはじめるしつけ
■トイレトレーニング
新しい環境に慣れるまではそっとしておいてあげることが大切ですが、迎えた初日からはじめたいのがトイレトレーニングです。はじめるのが遅くなると「どこで排泄しても良い」と認識しやすくなってしまいます。パグは頑固な一面も持ち合わせており、1度認識してしまうと直すのが大変な傾向にあるので注意してください。
子犬は成犬と比べてトイレの回数が多く、繰り返しトレーニングしやすくなるので、成功体験を積み重ねてなるべく早くトイレを覚えてもらいましょう。
失敗しても叱らず、上手にできたときには思いっきり褒めてあげるのがポイントです。
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環境に慣れてきたらはじめるしつけ
■待て・伏せ・お座りなどの基本的なコマンド
ごはんの前や落ち着かせたいときに役立つこれらのコマンドは、愛犬が自宅や飼い主さんに慣れてきたタイミングを見計らってトレーニングをはじめましょう。
パグは楽しくなると興奮しやすい傾向にあるので、待てやお座りなどのコマンドでクールダウンできるようにしておくのがおすすめです。
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■ボディコントロールのトレーニング
ボディコントロールとは、身体のどこを触られても嫌がらずに受け入れるようにするトレーニングです。子犬のうちから練習しておくことで、日々のお手入れがしやすくなったり、咬傷事故を防いだり、病気や怪我の早期発見に繋げることができます。
パグはしわに汚れがたまりやすいことからこまめに拭いてあげる必要がありますが、顔まわりは嫌がりやすい部分なので、トレーニングをしておくことをおすすめします。
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■社会化
パグは社交的で人懐っこい性格をしている傾向にあるので、飼い主さん以外の人や他の犬に対して比較的フレンドリーですが、社会化が不足すると恐怖や不安を感じやすくなり吠える・噛むという行動を起こしてしまうことがあります。
パグ本来の明るい性格を引き出してあげるためにも、生後4ヶ月までの社会化期の間にさまざまな経験をさせてあげるようにしてください。
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■吠え癖・噛み癖の予防
パグは警戒心が強い犬種や狩猟犬としてのルーツを持つ犬種と比較すると、比較的吠えたり噛んだりしにくいと言われています。しかし、しつけ方次第では吠え癖や噛み癖がついてしまうこともあるので、そうならないようにしつけで予防することが大切です。
子犬期は歯が生え始める時期や、乳歯から永久歯に生え変わる時期は歯がムズムズするため、いろいろなものを噛んでむず痒さを解消しようとします。そのまま放っておくと噛んでもいいものと悪いものの区別ができず、成犬になってからも人の手や家具などを噛んでしまうので、あらかじめ噛んでもいいおもちゃや噛み応えのあるおもちゃを用意してあげましょう。人の手を噛んだらダメと注意したり、構うのをやめることも必要です。
また、パグはのんびりした性格の子が多いので吠えにくいとは言われていますが、何か要求があったり、感情が高ぶって吠えることもあります。犬が吠える理由はさまざまな要因が考えられるので、愛犬がなぜ吠えているのか原因を突き止め対処しましょう。
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今回は子犬期に気を付けたいお世話のポイントや子犬期のうちにやっておくべきしつけについてご紹介しました。基本的にはどの犬種にも当てはまることではありますが、しつけやトレーニングの進め方はその子の性格に合わせて臨機応変に変えなければいけない部分もあります。
パグは賢く愛情深い犬種なのでしつけやすいと言われている一方で、繊細な一面もあり、大きな声で叱られたり威圧的な関わり方をするとうまくしつけ・トレーニングが進まなくなってしまいます。上手にできたら思いっきり褒めてあげるようにしましょう。しっかりとしつけ、信頼感関係を築くことができればきっとよいパートナーになってくれるはずですよ。
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