犬は猫と比べて寒さに強いというイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。確かに、シベリアンハスキーやサモエドなど極寒の地で誕生した犬のような、日本の冬の寒さをものともしない犬種はいますが、子犬の頃から温度や湿度を管理されて育った小型犬などにとって冬の寒さは身体にこたえるものです。
ここでは、犬が寒がっているときのサインや冬を快適に過ごすヒントをご紹介します。
犬が寒いと感じているときのサインとは
犬は寒さを感じていると、動作や行動に変化が見られます。寒いときに見られるサインには身体を震わせる、身体を小さく丸める、動きたがらない、飲水量の減少などが挙げられます。寒さが原因となり体調を崩してしまうと、次のような症状が現れることもあります。
尿石症・膀胱炎
秋から冬にかけては飲水量が減り、尿量が減ることで尿が濃縮され、尿結晶ができやすくなる傾向があります。そして、尿結晶が集まることで尿石症を引き起こします。尿石症を発症すると、膀胱炎も併発する場合が多く見られます。
尿石症を防ぐには、飲水量を減らさないよう新鮮な水をいつでも飲めるようにしたり、フードをふやかすなどして水分含有量を増やす、結石の原因になるマグネシウムやカルシウムなどのミネラルを調整した食餌を与えることが大切です。
下痢
人間と同様に、犬も身体が冷えると便が緩くなったり下痢になることがあります。また、冬に起こる下痢の原因は寒さだけでなく年末年始の来客や、ペットホテルに預けられるなど生活環境の変化によるストレスが原因になることもあります。
寒い時期の散歩について|愛犬の負担を減らすための工夫
散歩は犬にとって、身体を動かしたりストレスを解消するための大切な時間であり、それは冬であっても同じです。寒い時期の散歩を好まない犬もいますが、散歩する時間帯を選んだり防寒具を着用することで犬の負担を減らすことが可能です。
防寒具の着用
寒さが苦手な子には、保温性の高い服を着せると良いでしょう。怪我やしもやけから足を守るために靴を履かせることもおすすめです。ただし、その子によっては防寒具の着用がストレスになる子もいるので、犬の様子をよく観察しながら防寒具を活用しましょう。
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時間帯や気候を選ぶ
あまり風がない日や、天気の良い日はお散歩日和です。冬は日照時間が短くなりますが、暖かい時間帯を選んでお出かけしましょう。
濡れたら乾かす
雪が積もった日に遊んだりして濡れたままにしておくと、身体が冷えるだけでなくしもやけになってしまうことがあります。足先や、血管が細い耳はしもやけになりやすいので、散歩から帰ったらタオルでよく拭いて完全に乾かすようにしましょう。
冬でも快適に過ごすためにおすすめの寒さ対策
犬が冬でも元気に活動できるような寒さ対策をご紹介します。
服を着せる
犬用の服はおしゃれのために着せることも多いですが、寒さが苦手な犬には防寒効果のある服の着用がおすすめです。着慣れていない子は初めは嫌がるかもしれませんが、着れば暖かいとわかると受け入れてくれることがあります。外に出る際に震えるなど、やむを得ない場合は少しずつ服に慣らしてあげましょう。
エアコンなどの暖房器具の使用
室内で飼育する犬の場合、冬の寒さ対策の基本はエアコンでの温度管理になります。温度計を確認しながらエアコンの温度設定をしますが、犬が過ごす床に近い場所は冷えた空気が溜まりがちです。温度計だけに頼らず犬が寒がっていないか様子を見たり、サーキュレーターなどを併用して空気を循環させましょう。
また人間が家にいない留守番の間も、きちんとエアコンを稼働させておくように気を遣ってあげましょう。
毛布やフリースを用意
犬が寒さや暑さを感じたときに、自分で体温調節できるよう工夫することも大切です。犬が過ごす場所には毛布やフリースを用意してあげましょう。毛布やフリースの下に、ペットヒーターなどを敷いてあげると保温効果をさらに高められます。
寒さ対策を万全にして冬を乗り切ろう
寒い冬は引きこもりになりがちですが、寒さ対策を万全にすることで毎日の散歩も楽しくなります。身体を動かすことは体力づくりやストレス発散にも繋がるので、暖房器具や防寒具を活用して、愛犬と元気に冬を乗りきりましょう。
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