くるみは実の形が人間の脳と似ていることから、古代の中国では脳を滋養する食材とされ大切にされていました。ナッツ類の中で最も多くオメガ3脂肪酸を含み、ビタミン・ミネラルなどの栄養が豊富です。最近ではバランス栄養食として若い女性にも人気があります。
そんなくるみは、犬にも嬉しい栄養がたっぷり。今回は、くるみの栄養素や犬に食べさせる場合の注意点、簡単レシピまで紹介します。
くるみは犬に食べさせても大丈夫!
くるみは、縄文時代から日本人に食されてきたナッツです。犬の健康に役立つ栄養素が含まれているため、飼い主と一緒におやつとして食べることもできます。また、ご飯のトッピングとしても向いています。
しかし、高カロリーのくるみは与えすぎには注意が必要です。くるみは100gあたりのカロリーがドッグフード100gに匹敵するほどの高さ。また、食べ過ぎによる消化不良やくるみアレルギーなどを発症する可能性もあるため、犬に与えるときは少量にすることがおすすめです。
くるみの栄養素・成分を紹介
不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミン・ミネラルが豊富なくるみ。ナッツ類の中で最も抗酸化作用が高いことも注目を浴びている理由です。
くるみの栄養素・成分1:オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸
くるみに含まれている脂質の中で最も多いのがαリノレン酸です。αリノレン酸は、オメガ3脂肪酸とも呼ばれる不飽和脂肪酸の一つ。オメガ3脂肪酸は、フィッシュオイルにも多く含まれ、血管、血液を健康にする、脳を活性化させるなどの効果が報告されています。このオメガ3脂肪酸は、犬の体内で作ることができない必須脂肪酸で、食べ物から摂取する必要があります。また、犬の皮膚を守る役割を果たすリノール酸(オメガ6脂肪酸)もたっぷり含まれていることも特徴です。
くるみの栄養素・成分2:ポリフェノール
抗酸化物質の一つでもあるポリフェノールは、ブドウなどに多く含まれていることで知られていますが、くるみにもたっぷり含まれています。その含有量は、ポリフェノールが多いことで知られる赤ワインを大きく上回ります。また、くるみに含まれているポリフェノールの抗酸化値がナッツ類の中で最も高く、抗酸化作用に優れていることが報告されています。
くるみの栄養素・成分3:ビタミン・ミネラル
くるみは、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンKといったビタミン類に加え、マグネシウム、銅、亜鉛などのミネラルも豊富に含まれています。ビタミン・ミネラルは犬にとって必要な栄養素の一つ。中でも、犬のDNAの合成に関与し、神経組織の発達に働くビタミンB9とも呼ばれる葉酸が多く含まれています。
犬にくるみを食べさせる場合に気をつけること
犬の健康維持に有効なくるみですが、犬に与える時には注意が必要です。
くるみの注意点1:くるみアレルギーに注意
くるみに限らずナッツ類は、アレルギーを起こす場合がある食品です。くるみアレルギーを起こすと、嘔吐、下痢、発疹などの症状が現れます。また、一度に大量にくるみを食べた場合も、このようなアレルギー症状が現れる可能性があります。
もし、くるみを与えた後に、このような症状が現れた場合は、どうぶつ病院に連れて行き、獣医師の指示に従いましょう。
くるみの注意点2:食べ過ぎに注意
くるみはカロリーが高く、食べ過ぎることで肥満や消化不良を起こす可能性があります。覚えておくと役に立つカロリーの目安は、小さなくるみひとかけ(3g)で20kcal、大きめひとかけ(4g)27kcalです。人間の場合は、一つかみ(約7粒)のくるみが健康に役立つ量とされているので、犬は1日に1~3粒程度を目安とするのが適量と言えます。
くるみの注意点3:腎臓機能が低下している犬は注意
栄養豊富なくるみですが、100gあたり280mgとひきわり納豆と同じ程度のリンが含まれています。リン制限食を獣医師より指示されている、腎臓機能が低下しているシニアなどは、摂取に気をつける必要があります。
くるみを使ったおすすめのレシピ
犬にくるみを与える場合は、生のくるみではなくローストされたくるみを選んでください。また、犬はくるみなどのナッツ類の消化を得意としていないため、小さく刻んでご飯に混ぜるなど犬が消化しやすくしてあげることがおすすめです。
くるみのレシピ1:くるみプリン
特別な日のおやつにくるみプリンを作ってみてください。ゼラチンで固めるレシピなので、失敗なく簡単に作れます。
<材料>
- ローストしたくるみ 10g
- ヤギミルク(または豆乳)100cc
- はちみつまたはメープルシロップ 10g
- 粉ゼラチン 小さじ1
- ゼラチン用のお湯 10g
<作り方>
- ゼラチンをお湯でふやかしておく
- くるみ、ヤギミルクをミキサーに入れくるみが滑らかになるまで撹拌する
- 2を小鍋に移し、はちみつまたはメープルシロップを入れ温める
- 沸騰する直前に、ふやかしたゼラチンを入れてよく溶かす
- ゼラチンがよく溶けたら火を止め、好みの容器に入れる
- 粗熱が取れたら冷蔵庫に入れてよく冷やす
ワンポイント
ゼラチンを入れたら沸騰させないように気をつけましょう。少しだけ甘味を入れていますが、気になる場合は省いてください。
くるみのレシピ2:りんごとくるみのサラダ
くるみと相性のよいりんごを使った簡単レシピです。どちらも、秋から冬に旬を迎える食材で、ケーキやパンなどによく使われる人気の組み合わせです。りんごの食物繊維やくるみのビタミン・ミネラルに加えてヨーグルトが整腸作用を高めてくれます。
<材料>
- りんご 1/4個
- ローストされたくるみ 10g
- バナナ 1/4本
- セロリ 10g
- レモン汁 少々
- ヨーグルト 大さじ3
<作り方>
- りんごはいちょう切りにしておく
- バナナは薄切りにしレモン汁をふりかけておく
- セロリは薄切りにする
- くるみは細かく刻む
- りんご、バナナ、セロリ、くるみを混ぜ合わせ、ヨーグルトで合える
ワンポイント
材料はお好みで揃えてください。すべての材料をなるべく同じ大きさに切ることで、食べやすくなります。 ローストしたくるみが手に入らない場合は、生のくるみを150度のオーブンで15分またはフライパンで中火にして2~3分炒ってください。
くるみのレシピ3:くるみふりかけ
残り物の野菜を上手に利用して作れるふりかけです。黒ごまと青のりを入れることで栄養価もアップします。好みの材料を使って作り置きしておくと、犬ご飯のトッピングに役立ちます。
<材料>
- ローストしたくるみ 10g
- カブの葉(大根の葉) 1~2枚
- 出し昆布 1cm角程度
- 黒ごま ひとつまみ
- 青のり 適量
<作り方>
- くるみは細かく刻む
- カブの葉はサッと茹で細かく刻む
- 出し昆布はなるべく細く刻む
- フライパンを弱火で熱し、カブのは、くるみを入れて乾煎りし水分を飛ばす
- 水分が飛んだら、黒ごま、昆布を入れてサッと炙る(香りを出します)
- 火から下ろしたら青のりを入れ、全体をよく混ぜて冷ます
ワンポイント
使用する野菜は、水分を飛ばしやすいものを選びましょう。水分が残っていると、保存がきかないので注意してください。
くるみは高カロリーなので与えすぎには注意
くるみは犬の健康にとても役立つ食材ですが、カロリーの高いのが気になるところ。また、ナッツは犬が消化しにくい食材でもあるため、与えるときには細かく刻んだり潰したりすることがおすすめです。
筆者は、もうすぐ9歳を迎えるうちのコの健康を考えて、毎朝人参とくるみのスムージーを与えています。与え始めて3年になりますが、特に体調不良になることもなく、元気に過ごせています。
くるみは、高カロリーのため与えすぎには注意が必要ですが、少量であれば健康に役立つ食材です。ぜひ、犬ごはんやおやつに上手に取り入れてみてください。
食べ物に関する記事はこちらもチェック!
あわせて読みたい
犬にピーナッツを与える場合の適量は?気になる栄養素やアレルギー、簡単レシピもご紹介!
あわせて読みたい
犬×食べ物を知る! 犬にアーモンドは大丈夫?危険なナッツ中毒や注意点について紹介
あわせて読みたい
ゼラチンを使ったおすすめ犬用レシピを紹介!気になる栄養素と与える際の注意点も
あわせて読みたい
犬にメロンをあげてもいい?与える際の注意点と簡単なレシピも紹介
カテゴリーの人気記事