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はじめて宇宙を飛行した犬「ライカ」のおはなし。宇宙実験の犠牲になった悲しい事実

宇宙船に乗せられ世界で初めて宇宙へと飛び立った「ライカ」という犬をご存知でしょうか。ライカは宇宙犬としてミッションを課され宇宙へと飛び立ちましたが、その裏には胸が締め付けられる悲しい事実があります。この記事では、ライカに想いを寄せながら顛末をご紹介します。

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宇宙犬「ライカ」とは

宇宙と犬

ライカと名付けられた宇宙犬は、1957年11月にソ連(ロシア)の宇宙船「スプートニク2号」で、動物として初めて宇宙へと旅立った犬のことです。

優秀ゆえに実験対象へ

「なんでわざわざ動物を宇宙に?」と思うかもしれませんが、当時はまだ宇宙の無重力空間で人間が生存できるのかが分かっていなかったときです。そのため、まずは宇宙船に動物を乗せて打ち上げる実験をしていました。実験動物の対象は犬以外にも候補が挙がっていましたが、賢く調教がしやすいという理由で犬が実験に使われることとなりました。

ライカの死の真相

地球

到底許しがたい事実ですが、ライカは最初から地球に帰還できないことが分かっていて、宇宙に打ち上げられました。

ライカを乗せたスプートニク2号には、信じられないことに地球に戻るために必要な装置が搭載されていませんでした。これは技術不足による理由で搭載できなかったわけではありません。最高責任者のニキータ・フルシチョフによって、計画が変更されてしまったことが原因と言われています。

計画変更により犠牲になってしまった宇宙犬ライカ

当初は、ライカを乗せて地球に帰還する計画でした。しかしフルシチョフは、10月革命の40周年に合わせて犬を乗せたスプートニク2号を打ち上げれば国の宣伝になると考え、無理やりスケジュールを合わせるように指示を出しました。

このとき、宇宙船の製造に費やせる時間はたった1ヶ月程度しかなく、安全に地球に戻って来られる宇宙船を用意することができませんでした。そのため、地球に帰って来られない宇宙船にライカは乗せられることになり、命を失ったのです。

設計・製造に費やす時間がもっとあれば、地球に帰還できる宇宙船を製造できました。急ピッチで製造しなければならなかったことから、スプートニク2号の機体はかなり小さく、ライカが寝返りを打てないほど非常に狭いものでした。身動きが取れないストレスに加え発射時のすさまじい爆音に、恐怖でパニックに陥ったとの報告もされています。

のちに明らかになったライカの死の真相

ライカは、1600km上空で7日間のミッションを果たし、ミッション完了後は計画していた通り、毒が入ったエサを与えて安楽死させたと公表されていました。

しかし実際は、極度の疲労、ストレス、船内の気温上昇によって力尽きたのです。断熱材の一部が損傷し船内の気温が41度にまで上がっており、生命反応は確認できなかったとのこと。しかも命が尽きてしまったのは、発射してからわずか5~7時間後です。そして地球の軌道を周り続け、翌年の1958年4月に地球の大気圏に突入し燃え尽きました。この真相が明かされたのは、45年経ってからです。

ライカのこの宇宙飛行には猛烈に非難の声が挙がり、宇宙犬に対する抗議活動も行われました。

ライカは宇宙飛行への希望をもたらした

ろうそく

ライカの命は犠牲になってしまいましたが、無重力空間の宇宙に地球の生命体が飛び立つことは夢ではない、という希望をもたらしてくれました。実際、ライカのミッションから4年後の1961年には、ユーリイ・ガガーリンが世界で初めての有人宇宙飛行に成功しています。

ライカの死は決して無駄ではなく、宇宙進出に貢献したと言えるでしょう。

犠牲となった宇宙犬の存在を忘れてはいけない

犬と空

ライカのこの宇宙犬としてのミッションは、胸が締めつけられるとても悲しい事実です。しかし、地球の生命体が宇宙に行けるかもしれないという希望を与えてくれました。私たちの生活は、宇宙開発の進歩によってたくさんの恩恵を受けています。そのため、悲劇の宇宙犬がいたことは、決して忘れてはならないことです。また、たくさんの犬たちが宇宙に送り出されましたが、その多くの犬たちが生きて地球に戻っているということも同時にお伝えしておきます。

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