全犬種の中でも丈夫で比較的寿命の長いと言われる柴犬ですが、そんな柴犬も老犬になるとさまざまな身体的変化が現れてきます。老犬になってからも、健康で少しでも長生きして欲しいと願うのが飼い主の心情というもの。今回は、老犬になった柴犬のためにしてあげられることをご紹介します。
![](http://bizen.site/wp-content/uploads/2024/12/058b89f27fafcabaa40a2b92d7097fcafb43b520f40a9ba0a711bf9cb4512a52-740.jpg)
柴犬についての他の記事 |
---|
柴犬が老犬と呼ばれる年齢は?
柴犬に限らず、中型犬は7~8歳になると老犬とされています。最近では、老犬と呼ばずにシニアと呼ばれることも多く、混乱しがちですが、老犬とシニアは同じ意味と考えましょう。さらに、11~12歳になると高齢犬と呼ばれます。
ただし、年齢は目安であり、実際に老化が見られる時期には個体差や生活環境もあるので、一般的にシニアと言われる年齢に差し掛かったら愛犬の様子をよく観察するようにしましょう。
柴犬が老犬になったら見直すこと|生活環境編
柴犬がシニアと言われる年齢に差し掛かったら、少しずつ生活環境を整え始めましょう。
室外から室内へ
柴犬に限らず、日本犬は認知症をはじめとする脳の病気を発症しやすいと言われています。また、年齢を重ねるにつれて気温の影響を受けやすくなったり、視力や聴力が衰えることから不安になりやすくなります。そのため、外飼いをしていた場合は室内飼いに変更し、なるべく目の届く範囲で生活できる環境を整えてあげることが大切です。飼い主の近くに生活の拠点を置くことで、体調の変化に早く気がつけるようになります。
柴犬は、視力の低下、白内障といった目の病気や筋力の低下、関節炎の発症など年齢を重ねることによって病気や体調不良を発症することがあります。綺麗好きな柴犬のために、清潔で快適な生活環境を提供すること、日々の体調を細かく観察できる環境を作ることが長生きの秘訣です。
安全で快適な環境を作ろう
住み慣れた家であっても、老化に伴い今まではなんともなかったちょっとした段差に躓くようになったり、フローリングで滑って転んでしまったり、家具にぶつかってしまったりといった様子が見られることがあります。そのため、愛犬がシニア期に入ったら怪我をしないように環境を見直すことが大切です。
滑り止めとしてカーペットを敷く飼い主さんは多いと思いますが、シニアになると爪が引っ掛かりやすくなるため、状況に応じてコルクマットに変えたり、クッションシートを貼ってみるなど対策をしましょう。 肉球に貼るタイプの滑り止めもおすすめです。
お気に入りのソファや椅子などがある場合には犬用ステップを設置して段差をなくしてあげると、足腰への負担を軽減することができます。
視力の低下により家具にぶつかってしまうこともあるので、怪我をしないよう角にクッション材を貼ってあげたり、状況によっては立ち入れなくすることも必要です。
柴犬が老犬になったら見直すこと|食生活編
古くから日本人とともに生活してきた柴犬には、肉類を中心とした食生活がマッチする外国産の犬種に比べると、魚や鶏肉からタンパク質を摂取することが向いていると言われています。
たんぱく質量が多くカロリーが高い食事であっても、若い時期であれば運動量が多い柴犬には向いている場合もありますが、年齢を重ねシニア期に入ったらカロリーの低い食事内容へと変えていく必要があります。
太りやすい柴犬のために
シニア世代から高齢犬になるにつれ、運動量は減少するので基礎代謝も落ちてきます。そのため、若い頃と同じ食事内容のままだと肥満になりやすくなります。
老犬の年齢になったら、カロリーの低い魚系のドッグフードに切り替えるなどして、太りにくい食事内容にすることがおすすめです。また、おやつも今までと同じものではなく、フルーツや野菜などカロリーの低いものをあげるようにしましょう。
柴犬が老犬になったら見直すこと|散歩時間
高齢になってもなるべく自分の足で歩き筋力を維持することが大切ですが、若いときと同じ時間では体に負担がかかってしまうため、愛犬の様子を見ながら散歩時間を調整するようにしましょう。
1回あたりの時間は短くてもOK
狩猟犬として活躍していたルーツを持つ柴犬は運動量が多い犬種ですが、年齢とともに寝ている時間が増え、散歩に行くことを嫌がるようになったり、走ることも少なくなってきます。しかし、運動不足は柴犬にとって大敵です。1回あたり10分程度を目安に散歩に行き、愛犬の様子を見ながら適当な時間、回数を見つけましょう。
また、散歩は筋力の維持だけでなく、自分の足で地面の感触を確かめながら歩き、さまざまなニオイを嗅いで、他の犬や人と触れ合うことで脳への適度な刺激となるため、認知症の予防効果も期待されています。歩くのが難しい場合や嫌がる場合には抱っこや犬用カートに乗せて外の空気を吸うだけでも気分転換になるのでおすすめです。
柴犬は認知症になりやすい犬種と言われているので、無理のない範囲で散歩を続け、日々の生活が単調にならないようにしましょう。
こちらの記事もチェック
あわせて読みたい
柴犬は認知症になりやすい犬種。症状の進行を遅らせるためにできることとは
散歩コースや時間帯も気にしよう
足腰が衰えてきたと感じたら、散歩コースを見直すことも大切です。坂道や段差などが多く歩きにくい道は老犬にとって負担になります。車通りが少なく歩きやすい道を意識して選ぶようにしてください。
また、時間帯にも気を配りましょう。子犬や老犬は体温の調整が苦手なので、暑すぎたり寒すぎる時間帯は大きな負担になります。ここ数年の夏はどの時間帯でも暑いという状態が続いているのでなかなか難しいですが、太陽が昇りきる前や夕方などなるべく涼しい時間帯を選ぶようにすることが大切です。
柴犬が老犬になった時の注意点とは
![](https://bizen.site/wp-content/uploads/2022/11/nttid6dh2yi8kbb2ov06p095i1xk.jpg)
体が丈夫で長生きな柴犬ですが、健康でいられるためにはいくつか注意したい点があります。ここでは、柴犬が老犬になった時に注意したい点をご紹介します。
病気の早期発見早期治療を心がける
ガマン強く、飼い主思いの柴犬は、体調不良であっても具合が悪いそぶりを見せないことが多くあります。しかし、丈夫な柴犬といえども長生きをすれば年相応の不調が出てくるもの。そんな体調不良にいち早く気がつくのも飼い主の役目です。
犬の病気は、どんな場合でも早期発見・早期治療が基本です。特に、年齢を重ねると全身麻酔が負担となるので、病気の芽は小さいうちに摘み取ることが、長生きの秘訣と言えます。できれば半年に1回の頻度で健康診断を受診するようにしましょう。
老犬になっても元気な柴犬でいてほしい
犬の寿命は短く、あっという間に老犬の年齢を迎えてしまいます。昨日までは、あんなに元気に走り回っていたのに、朝起きてみたら元気がない。そんな変化が現れるのが7〜8歳です。柴犬に限らず犬は年齢とともに、運動量が減り、寝ている時間が増えてきます。
若い頃のエネルギッシュな柴犬からは想像もできない静かな日々を送ることになるかもしれませんが、歳を重ねた柴犬の愛おしさはまた格別です。老犬の柴犬と暮らすには、生活環境や食事に注意が必要ですが、気をつけてあげればそれに応えて長生きしてくれるのが柴犬です。ぜひ、老化のサインに気がついて、穏やかで健やかな老犬生活を送らせてあげてください。
カテゴリーの人気記事